7月13日から宮崎県の博物館で『毒モンスター水族館』展が始まっています。

宮崎県総合博物館HPより
こちらの企画展にかごしま水族館の『うみうし研究所』がやってくる!!ということで、見に行ってきました。(ネタバレ注意)

かごしま水族館内のうみうし研究所が出張しているわけではありません。
全く同じものを全く同じ業者さんにつくってもらいました。
とはいえ、私が発注したのはもう7年も前ですから、資材や工程にもいろいろと変化があることでしょう。あと実は少しだけ改良点ということで注文をつけています。
そういう意味で全く同じではありませんが、まぁ普通に見る分には全く同じものですね。
これつくるの難しいんですよね。
アクリルを曲げ加工するわけですが、曲げると出来るたわみが横方向にはみ出してくるので、平面を貼り付けようとしてもできない。アクリルが厚ければ厚いほど難しく、私のDIYレベルではちょっとできません。
配管系はまた別の飼育管理業者さんに委託しているようですので完全に異なりますが、私はここちょっと見たかったなと思ったりしました。かごしま水族館ではポンプから逆流防止弁を経由して、21個に分岐した配管を21個の水槽に接続しています。その間にコックとユニオンを挟んでメンテナンスしやすくしています。
宮博では8水槽です。8個でも雰囲気出るものですね。
真っ暗な部屋で展示していましたので下からのライトアップで水槽内が映えてとても美しい。
なんならかごしま水族館の水槽よりも美しく見えます(笑)

近くで見ると設計した私にしかわからないようなわずかな違いがあることに気づきます。
ふむふむなるほどと思いつつ・・・のちの計画を立てます。
六角形という特殊な形状なので掃除もしにくかったりしますが、慣れてくるとなかなか便利で、形状上の不都合はありません。 1つあるとすれば水槽と水槽の間・・・・・ほこりが入り込むのです・・・・。
お次はこちら。

も、模型が。
あの超苦労して作ってもらった模型が・・・・!!!
これも全く同じ作家さんに無理言って作ってもらいました。
この数をこの短期間で本当に・・・?
相当大変だったと思います。
かごしま水族館のよりも増えてるし。。。。。
ウミウシという普段つくることの無い生物の模型を、鰓とか色彩とかできるだけ忠実にということで、何度も打ち合わせを重ねてお願いした渾身の模型です。
作家さんも2回目とあって腕が上がったように見えます。すごい!
実は博物館関係者からの評価が高いという噂。
やはり展示物として見ると水族館よりも博物館ですね。
興味のある博物館さんは私へお問い合わせください。作家さんへお繋ぎします。
そして

こちらにはウミウシのグリセリン標本が。

これらの一部は先月実施した宮崎の海での調査にて採集したウミウシです。
通常、ホルマリンやエタノールでウミウシを標本化すると美しい色彩が落ちてしまうのが難点ですが、グリセリンを用いた特殊な制作方法により色彩が落ちにくくなり、美しさを保つことができます。
かごしま水族館でも以前展示を行いました。
せっかくですので宮崎の海も少し紹介しておきましょう。
宮崎は日南市の沖にある離れ小島、いや、大きな島、その名も『大島』。
ボートでしか行けませんが、島との間に海峡があるおかげで潮通しがよく、かつ本土側の陸地から近いので栄養塩も多く、付着生物にとって好適な環境が多いものと推測されます。いい地形してます。
海は初夏とあってそれなりに濁っていましたが、天候にも恵まれ、気持ちの良いダイビングを行うことができました。
ウミウシも20数種類が見つかり、初見のフジイロウミウシも発見することができました。


宮崎県沿岸は鹿児島県本土よりも黒潮の影響が強いと思われ、海中の生物相が若干異なり、より南方種が多いように思えます。
付着生物も大変多く、とんでもない量のウミウシが簡単に見つかります。
ウミウシ好きなダイビング初心者は喜ぶこと間違いなし!ぜひ潜ってほしい。
悔しい限りですが、正直鹿児島よりもウミウシが多いです。
これは別の季節にも調査せねば・・・・・と思いました。
ということで、採集した標本を、グリセリン標本作家さんへお渡しして、完成したものが宮博にて展示されています。その数なんと60点!すごい量です。
この他、宮崎のプロダイバーによるウミウシ写真の展示や、プロジェクションマッピングのような展示もあります。(会場のどこかでひっそりと私も紹介されています(笑))
会場内にウミウシがかなり多く紹介されていてありがたい限りですが、もちろん他の展示も大変面白いです!
いろいろなものを良いとこ取りした展示になっているので子供を飽きさせない!
夏休みはぜひナッシーリゾート宮崎へ~~
ちなみに!売店でウミウシ生態観察図鑑も販売してもらっています!

あ、反射が・・・
こちらもぜひ!