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Vol.11 ウミウシ界のお姫様

2018.6.18

生物界には「ヒメ」という文字を冠する名前をもつ生きものがたくさんいます。かわいらしい印象のある種やより小型あるいは繊細な形態の種につけられることが多いように思いますが、ウミウシ界にはこうしたヒメ○○といった名前ではなく、もっと具体的な姫の名前をもつ種類がたくさんいます。

今回はうみうし研究所にて現在展示中のウミウシから、少し紹介してみましょう。

オトヒメウミウシ Goniobranchus kuniei
外套膜を羽ばたかせるように動かす変わった行動をとるウミウシ。この行動の意味はよくわかっていませんが、派手な色彩も相まってアピール力満載です。

 

シンデレラウミウシ Hypselodoris apolegma
淡い紫色から白のラインへと移るグラデーションが特徴です。展示種の中では常に上位を獲得するほど人気の種で、女性受けする絶妙な色合いとこの名前がその理由のようです。南方種のイメージもありますが、鹿児島県本土にも生息しています。

 

シラヒメウミウシ Goniobranchus sinensis
シンプルで純白のデザインが姫のイメージに相応しい(?)ウミウシ。
鹿児島県本土では夏の普通種。錦江湾ではちょうど今ぐらいの季節から冬前にかけてたくさん見られます。潮間帯の転石裏から採集でき、一番身近なお姫様と言えそうです。

 

カグヤヒメウミウシ Hypselodoris sp.
シンデレラウミウシの種内変異という見方も根強くありますが、白いラインと淡い紫色がグラデーションにならず、くっきりと区別されている点で異なります。シンデレラウミウシに比べればずいぶんと数は少なく、より小型で繊細な印象があります。

 

シラユキウミウシ Verconia nivalis
「シラユキヒメウミウシ」という名のウミウシはいませんが、名前としては本種が一番近いでしょうか。純白の体に儚く繊細な紅が魅力的なウミウシ。小型であまり数は多くありません。

 

以上、現在展示中のお姫様を紹介してみましたが、こういうものをキラキラネームというのでしょうか。ウミウシにつけられている名前は愛を感じるものが多いですね。
この他にもコトヒメウミウシやセンヒメウミウシ、ダイアナウミウシ、ジョオウミノウミウシなんてものもいます。
そうそう、最近たくさんの未記載種に和名が提唱されました。ここでもまた紹介できればと思います。

ちなみに、今回紹介したお姫様たちの日常的なお食事はスポンジ(カイメン類)です。
うーーーーむ。

著者プロフィール

西田 和記(にしだ・かずき)

1987年、愛媛県生まれ。
2010年 鹿児島市水族館公社(いおワールドかごしま水族館)入社。
深海生物、サンゴ、ウミヘビ、クラゲなどを担当する傍ら、ウミウシの飼育・展示・調査に勤しむ。ウミウシ類の飼育技術の確立が目標。

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