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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.22 猛烈に記憶あるニオイ

2017.10.26

前回に続き、オオグソクムシのネタです。

以前までゲテモノ生物の調理試食は自宅でヒッソリコソコソとブツブツつぶやきながら行っていましたが、数年前からは水族館の飼育事務所で行うようにしています。だって寂しいじゃないですか。職場だと、居合わせた人にも食べてもらえるもんね。

これまでで、数多く調理してきたのはオオグソクムシなのですが、これを焼き始めると皆静かにどこかへと消えていきます。または、やって来た者は「ヤバイ、しまった」という表情で事務所での用事を早く済ませようとします。皆が気付くのは、調理風景ではなく〝ニオイ“。オオグソクムシのニオイを初めて嗅いだ方は美味しそうなニオイなどと言いますが、何度も嗅いでいると、グソクムシの独特なニオイであることに気が付きます。しかし、このニオイを他のもの(ニオイ)に例えようが無かったのですが、先日やっと、そのニオイに出会ったのです。

移動水族館で市内の病院で行われているお祭へ参加した時のこと。院内を歩いていると突然、鼻にコビリ付くように記憶されているニオイが鼻腔内へと急激に流れ込んできました。これはオオグソクムシの焼いた香りであることが、すぐに分かりました。ニオイを辿ると、電気メスで鶏肉が切れるという体験コーナーでした。驚きと共に、オオグソクムシの焼いたニオイを説明できるという喜びで心は満たされました。ただ、これは調理をし過ぎて嗅覚がおかしくなった私だけが感じたことなので、他の人には違う感じ方がするかもしれません。

もう少し身近なニオイでないものだろうか。

著者プロフィール

三田 圭一 (さんだ・けいいち)

名古屋コミュニケーションアート専門学校 卒業後、竹島水族館 入社
入社年からグルメハンターとして試食開始。

担当:淡水生物、海水魚、深海生物、サンゴ、カブトガニ、クラゲ、の担当を経て、現在はアシカ(ショー含む)と両生類爬虫類、深海生物、ゲテモノ食をメイン担当。

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