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Vol.72 アシナガツノガニ

2022.3.2

ここ最近、美味しいカニ鍋が食べたいと心の中で思っています。寒いからでしょうか。蒲郡で今の時期ならタカアシガニの鍋など良いですね。最高です。蒲郡市内の料亭さんなどで食べれますので、お越しの際は是非召し上がってみてはいかがでしょうか。プロの料理人さんが作れば間違いなく美味しいでしょう。

さて、今回の生き物ですが、写真を見てもらうと、ぱっと見はタカアシガニのようにも見えるのですが、アシナガツガニという別の種類のカニです。

棲んでいる水深は50~150mほどと、タカアシガニより浅い水深で暮らしているようですが、タカアシガニと本種は同じクモガニ科というグループに入っており、親戚のようなものですね。大きさはかなり違い、甲羅の長さは約2.5㎝ほどと小さいです。

今回紹介する個体は、深海漁が解禁されたばかりの時期に漁師さんが持ってきてくれたものですが、どのように調理をして等は考えもせずに、生で食べるという一択でした。他回の時と同じ理由ですが“小さいから火を通すよりも”という考えです。

まず、ハサミで歩脚を切りますが硬く、身はごく少量に見えます。噛んで身を絞り出してみようとするのですが殻が硬すぎて断念。では、殻を削いで身を取り出しやすくしようと、近くにあったカッターナイフで試みますが、硬くて上手に殻を削ぐことが出来ないため、出刃包丁の登場。初めから使えばよかったのです。中途半端に楽をしちゃいかん。簡単にできました。

先の細い物で身を取り出してみますが、少なくてどれが身かよく分からないのですが、食べてみます。これまた、少なすぎてよく分からないのですが、噛んでいると旨味のない甲殻類ということは分かりました。

著者プロフィール

三田 圭一 (さんだ・けいいち)

名古屋コミュニケーションアート専門学校 卒業後、竹島水族館 入社
入社年からグルメハンターとして試食開始。

担当:淡水生物、海水魚、深海生物、サンゴ、カブトガニ、クラゲ、の担当を経て、現在はアシカ(ショー含む)と両生類爬虫類、深海生物、ゲテモノ食をメイン担当。

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