日本全国の動物園と水族館をつなぐ情報誌、「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」公式Webサイト

どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.77 オカダシンカイコシオリエビ

2022.8.26

派手さはないけど珍種です。ほとんど動かないです。小さいです。ハサミ脚は長いです。

たけすいでも珍種のオカダシンカイコシオリエビ、ご存じでしょうか。最初に書いたように珍種だけど、小さく動かずのハサミが長い深海生物です。

年に何度か展示できるのですが、なかなか食べる機会を逃しつづけておりました。

今回は現深海生物担当の子が気を利かせて声をかけてくれたので、冷凍保存しておいた個体です。できれば生で食べたかったのですが、冷凍をしたため茹でることにしました。

茹で時間は1分くらい。

飼育事務所で後輩たちが事務作業をしている後ろで、ガサゴソグツグツと試食調理開始。みんな覗き込んでくるため、一緒に食べてみるかと声をかけますが、「遠慮しておきます」と静かに丁重なお断りをいただきましたので、いつも通りに食べます。
1人カメラを構えながら初めていると、「カメラ撮りましょうか」と一言いただいたので、よろしくと撮影はお任せすることに。

ちょっとホッコリしながら(なぜだ?)、進めていきます。

まずは臭いですが、エビというよりカニ。

カメラ係の後輩に嗅がせても「カニですね」と。ホッコリ(なぜだ?)。

今回お話しする部位はハサミ脚。

まず、程よいところで折って身を取り出そうとしますが、筋しか取り出せず、とりあえず口に入れてみますが、すごく濃厚な旨味があります。しかしエビっぽさなどはよく分からないため、少しずらして身の取り出しに成功。食べてみると変わらず濃厚な旨味で身は少しボソボソ。冷凍したためでしょうか。

なぜか、はっきりとした味が不明ですが、濃厚な旨味だけが伝わってきます。

身が少なすぎるからでしょうか。

著者プロフィール

三田 圭一 (さんだ・けいいち)

名古屋コミュニケーションアート専門学校 卒業後、竹島水族館 入社
入社年からグルメハンターとして試食開始。

担当:淡水生物、海水魚、深海生物、サンゴ、カブトガニ、クラゲ、の担当を経て、現在はアシカ(ショー含む)と両生類爬虫類、深海生物、ゲテモノ食をメイン担当。

カテゴリー

カテゴリー一覧

このカテゴリーの他の記事

ページTOPへ

Copyrights © 2010 Doubutu-no-kuni All Rights Reserved.
誌面、Webにおけるあらゆるコンテンツの無断複写・転載を禁じます。