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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.14 きれいの裏側

2013.5.22

五月晴れの日々が続きます。
GWは皆さん動物園にいきましたか?
この期間は一年のうち、最もお客様が多いシーズンなので、各動物園はいろいろ楽しんでいただける特別なメニューを用意しています。
スペシャルな動物ガイド、エサやり体験、ヒツジの毛刈り体験、羊毛工作などなどです。
今年行かなかった方は、来年は是非お越しください。

 

 

そんなGWも終わって、数日もすれば、通常の動物園に戻ります。
お客様がたくさんいらっしゃって緊張気味だった動物たちは、日常の生態に戻ります。

クジャクたちは、繁殖シーズンのピークとなり、オスはメスへのラブコールで忙しそうです。
クジャクはご存知のとおり、美しい羽を広げて、「究極の美」をメスにアピールするのですが、この広げている羽は、翼ではなく、尻尾の羽です。尻尾の羽は飛ぶためにはあまり大きな役割を持っていません。クジャクのオスの場合、もっぱらメスにアピールするためだけの尾羽なんです。
180度、扇型全開に尾羽を開き、羽の1本、1本を震わせて模様をより輝いて見えるようにし、その音もブルブルブルブルと力強く聞こえます。そして、美しくメスの周りをダンスステップを踏んで、取り囲むようにターンします。
ため息が出るくらい美しいディズプレイです。

 

 

そんなクジャクのオスの裏側です。
力いっぱいに飾り羽を広げて、足はしっかり踏ん張っています。
お尻にもしっかり力が入っています。
ここがオスの強さの見せ所です。一生懸命に頑張っている姿がうかがえます。

表の美しい飾り羽の巨大な扇よりも、私はこの後ろ姿が好きです。
力強くて、かっこいいです。
表よりもこんな後ろ姿に一目惚れするメスもいるんだよ・・・なんて思います。

 

 

4月に歌舞伎座が新しくなって、ドキュメント番組がいろいろあっていました。歌舞伎の衣装は一式40kgもするそうです。40kgをつけて美しく舞う姿は、クジャクのオスを彷彿とさせます。

クジャクのオスの美しい表側を支える後ろ姿を一度ご覧になってください。また異なる感動がありますよ。
この時期、カモやオシドリのオス、ツルのオスなど、鳥たちがとっても素晴らしい姿になります。暑くなって、彼らが換羽して、地味になってしまう前に是非見に来てください。

著者プロフィール

高田 真理子 (たかた まりこ)
1957年5月4日 福岡市生まれ。筑紫女学園高校を卒業後、宮崎大学農学部獣医学科を1981年に卒業し、獣医師となる。
動物が大好きで小学生の頃から動物園の獣医さんを志して、1983年に念願の海の中道海浜公園・動物の森の獣医さんになった。
以降30年間にわたり動物たちの治療や衛生管理を行ってきた。その間、動物の世話や治療だけではなく、「動物をもっと好きになって、動物ってすごいよ、すてきだよ」と子ども達に『動物の森一日飼育員』『動物ふれあい教室』等のイベントを行なったり、機関誌『動物の森だより』を作ったり、動物相談に応じたり、動物の森ZOO ボランティア育成を行ったり動物に関する事の全般を行った。
2013年4月からは福岡県の大牟田市動物園で獣医師として新たな動物園ファン作りをしています。
九州沖縄ブロック動物園水族館獣医師臨床研究会(kozavg)代表。現在福岡市東区在住。
学芸員、社会教育主事、プロジェクトワイルドファシリテーター、公園運営管理士。

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