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Vol.15 長生きできる動物園

2013.6.15

大牟田市動物園の動物たちはみんなとても長生きです。
通常、カンガルーの仲間は、10歳以上になると老年性白内障が出たり、やせはじめたりします。それで、10歳以上は老齢とこれまでは診断していました。
しかし、ここ、大牟田市動物園のオオカンガルーは、10歳はまだまだ若輩者で、20歳以上になって、やっと老齢動物と言われるようになります。
他の動物園のカンガルーと比べて、10歳以上長生きのようです。
ここには、老カンホームがあり、20歳以上のお年寄りのカンガルーが静かにのんびりと過ごしています。
それで、ますます長生き出来ています。

 

 

5月に22歳のカンガルーが老衰で死亡しました。
老カンホームのメンバーでした。飼育員は、老カンホームのカンガルーをとっても大切に飼育していましたが、命はいずれ尽きるものです。
老カンホームのメンバーが天国に旅立ったあとは、そのお知らせとお花を飾ります。

 

 

まだまだ10歳以上のカンガルーはたくさんいるので、みんなみんな長生きしてもらいたいですね。

 

 

カンガルーのほか、35歳のサバンナモンキーや40歳のペリカンなど高齢者はいっぱいいます。

 

 

おなじみのモルモットもふつう5歳で寿命と言われていますが、ここでは、5歳は若モルで、8歳、9歳という老齢モルモットがざらにいて、彼らは最期には「老モルホーム」でのんびりと過ごすことになります。

 

 

ところで、ここは二つの展示エリアを結ぶ橋があります。上野動物園でいうところのイソップ橋です。
長生きの理由を考えながら、橋の欄干をみると「えんめい橋」と書いてあります。

 

 

ああ!!そう、この動物園は「延命公園」の一角にあるのです。
延命公園入り口には、延命神社があって、長生きの神様がおまつりしてあります。
長生きの理由は神様のおかげ?
なんか、はやりのスピリチュアルな話みたいですね。

 

 

でも、ほんとは、ここの飼育員の日々の努力なんですよ。とっても動物に気を配ってていねいに飼育しています。

 

 

動物を長生きさせられる飼育員といっしょに、獣医師として動物たちの延命のお手伝いを全力を尽くしていきたいと思います。

 

 

ここの動物たちのように「延命のごりやく」を確認にぜひ一度来てみてください。

 

著者プロフィール

高田 真理子 (たかた まりこ)
1957年5月4日 福岡市生まれ。筑紫女学園高校を卒業後、宮崎大学農学部獣医学科を1981年に卒業し、獣医師となる。
動物が大好きで小学生の頃から動物園の獣医さんを志して、1983年に念願の海の中道海浜公園・動物の森の獣医さんになった。
以降30年間にわたり動物たちの治療や衛生管理を行ってきた。その間、動物の世話や治療だけではなく、「動物をもっと好きになって、動物ってすごいよ、すてきだよ」と子ども達に『動物の森一日飼育員』『動物ふれあい教室』等のイベントを行なったり、機関誌『動物の森だより』を作ったり、動物相談に応じたり、動物の森ZOO ボランティア育成を行ったり動物に関する事の全般を行った。
2013年4月からは福岡県の大牟田市動物園で獣医師として新たな動物園ファン作りをしています。
九州沖縄ブロック動物園水族館獣医師臨床研究会(kozavg)代表。現在福岡市東区在住。
学芸員、社会教育主事、プロジェクトワイルドファシリテーター、公園運営管理士。

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