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Vol.16 夏場の体重測定とフィラリア

2013.8.4

夏ですね。猛暑・猛暑と連日報道されるたびにかえって暑くなるような気がします。

ワンちゃんを飼っている人は、夏場の犬のフィラリア症予防はちゃんとしていますか?

 

 

フィラリアという寄生虫(線虫)を蚊が持っていて、蚊が動物を吸血するときに、蚊の唾液といっしょに動物の血管に線虫の幼虫が入り、それが動物の体内で成長して被害を及ぼすとても怖い病気です。

犬の場合は成虫が心臓に寄生して、そうめんのような長くて白い虫が心臓に詰まり、死にいたることもあります。それで、犬を飼っている人は夏場に寄生虫フィラリアのを駆虫する薬を飲ませたり注射したりします。

 

 

動物園では、犬に近い動物はこのフィラリア症になる可能性があるため、毎月駆虫薬を飲ませています。

大牟田市動物園では、レッサーパンダ、ハクビシン、キツネ、タヌキ、アザラシがその対象です。

 

 

また、犬タイプのフィラリア症とは別に、同じ仲間の寄生虫(線虫)がヤギ、ヒツジの脳に詰まって病気になることがあります。

それで、ヤギ・ヒツジにもフィラリア駆虫薬を投薬します。

 

 

動物の薬は、体重によって量が決まりますので、投薬の前にまず体重測定を行わなければなりません。

そこで、大きな体重測定の機械を動物病院から運んで、1頭1頭計りました。

 

 

初めてのことで、動物たちは、びっくりして、なかなかうまく計れません。

汗だくで、ようやくヤギ9頭、ヒツジ7頭を計り終わりました。

 

 

ヤギやヒツジはエサを手渡しであげたりするとても身近な動物で、一見、人よりも軽いように思えます。

しかし、しかし、結構体重がありますよ。

 

 

ヒツジの一番小柄なサブで42.6kg、中くらいの梅で62.6kg、オスのヨウタは76.6kgです。ヤギも一番大きなブリで79.2kgでした。

75kg以上というと、がっしりタイプの大人の男の人くらいです。

 

 

一見、大きめの犬くらいの大きさに見えるヤギ・ヒツジですが、しっかり体重があるので、その重さに見合った量のお薬を投薬します。

今回のお薬は6ヶ月有効の注射です。

 

 

体重測定され、注射されて、なんだか納得のいかない顔のヤギとヒツジでしたが「これで、この夏のフィラリア対策は大丈夫だよ。安心してね」って話します。

後は、熱中症に用心してがんばって夏を乗り越えよう!!まだまだ夏は続きます。

 

著者プロフィール

高田 真理子 (たかた まりこ)
1957年5月4日 福岡市生まれ。筑紫女学園高校を卒業後、宮崎大学農学部獣医学科を1981年に卒業し、獣医師となる。
動物が大好きで小学生の頃から動物園の獣医さんを志して、1983年に念願の海の中道海浜公園・動物の森の獣医さんになった。
以降30年間にわたり動物たちの治療や衛生管理を行ってきた。その間、動物の世話や治療だけではなく、「動物をもっと好きになって、動物ってすごいよ、すてきだよ」と子ども達に『動物の森一日飼育員』『動物ふれあい教室』等のイベントを行なったり、機関誌『動物の森だより』を作ったり、動物相談に応じたり、動物の森ZOO ボランティア育成を行ったり動物に関する事の全般を行った。
2013年4月からは福岡県の大牟田市動物園で獣医師として新たな動物園ファン作りをしています。
九州沖縄ブロック動物園水族館獣医師臨床研究会(kozavg)代表。現在福岡市東区在住。
学芸員、社会教育主事、プロジェクトワイルドファシリテーター、公園運営管理士。

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