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Vol.19 リクガメのイチロウ君のおなか

2013.10.19

7月に死亡してしまったケヅメリクガメのジロウ君といっしょに飼育されていたのが、「こーちゃん」「うーちゃん」「イチロウ君」の3匹のケヅメリクガメです。

 

 

この3匹のカメの重さはだいたい35kgくらいで、見た目はそっくりのなのですが、ちょっと大きめのイチロウ君は体重が10kgも重いのです。

 

 

死亡したジロウ君の腸に砂がたくさん溜まっていたのを思い出し、イチロウ君の糞をよく見ると、ジャリジャリと砂をいっぱい含んでいます。
10kg分すべて砂というわけではないでしょうが、砂・石がお腹に溜まっている可能性があると思い、レントゲンを撮ることになりました。

 

 

大牟田市動物園はレントゲン施設がないので、近所の動物病院に撮ってもらいに行きました。リクガメはよく動くので、逆さにして写しましたが、大きいので甲羅の半分しかレントゲンの画面に入りません。
それでもなんとか数枚撮ってもらいました。

 

 

レントゲン写真をみると、まるで、「バリウム造影検査写真」のように結腸に沿って、真っ白なカタマリに見えます。 たぶん、砂でしょう。

 

 

それで、動物園に帰ってきて、温かいお湯に入れて、体温を上げて胃腸をリラックスさせることにしました。
お湯を見ると、時々茶色ににごります。 たぶん、その時に糞をしているのでしょう。
20分くらい、お湯に入れたら、湯舟の底に小さなお団子1個分くらいの砂が溜まっていました。
腸に溜まっていたのはこのくらいの量ではないので、これから毎週お風呂に入って腸の砂出しをすることにしました。

 

 

また、エサ入れもちょっと工夫して、砂がつかないようにしました。
ちょっとの工夫が動物の命を救います。
他のリクガメもきっと砂が溜まっている可能性が高いので、秋はカメたちの温泉シーズンになりそうです。

 

 

著者プロフィール

高田 真理子 (たかた まりこ)
1957年5月4日 福岡市生まれ。筑紫女学園高校を卒業後、宮崎大学農学部獣医学科を1981年に卒業し、獣医師となる。
動物が大好きで小学生の頃から動物園の獣医さんを志して、1983年に念願の海の中道海浜公園・動物の森の獣医さんになった。
以降30年間にわたり動物たちの治療や衛生管理を行ってきた。その間、動物の世話や治療だけではなく、「動物をもっと好きになって、動物ってすごいよ、すてきだよ」と子ども達に『動物の森一日飼育員』『動物ふれあい教室』等のイベントを行なったり、機関誌『動物の森だより』を作ったり、動物相談に応じたり、動物の森ZOO ボランティア育成を行ったり動物に関する事の全般を行った。
2013年4月からは福岡県の大牟田市動物園で獣医師として新たな動物園ファン作りをしています。
九州沖縄ブロック動物園水族館獣医師臨床研究会(kozavg)代表。現在福岡市東区在住。
学芸員、社会教育主事、プロジェクトワイルドファシリテーター、公園運営管理士。

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