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Vol.5 インコの羽の秘密

2012.8.13

オーストラリア旅行のおみやげに紅茶をもらいました。
箱には、ゴシキセイガイインコとキバタンが描かれていて、この鳥はオーストラリアの代表動物なんだなあと感激しました。
(紅茶はミルクティにとっても合うおいしい紅茶でした)
日本茶の箱にマナヅルとかトキが描かれている感じでしょうか。
でも、日常にインコがいそうな絵はとってもステキだったので、ご紹介。 

 

 

インコやオウムが絶滅に至った理由はその美しい羽でした。
インコの姿を見たら、その美しさがわかりますが、羽の1本、1本に美が凝縮されています。 

 

 

鳥の羽は人で言う髪の毛みたいなもので、自然に抜けて新しい羽が生えてきます。
これはルリコンゴウインコの抜けた羽です。
表面は鮮やかな瑠璃色です。宝石のように角度で色が変わり、見ていて飽きません。

 

 

裏側は、微妙なグラデーションで、灰色から黄色や赤に変わっています。
表と違った趣きがあり、地味目ですがきれいです。
外形では赤い色は見えないのですが、羽には赤が入っています。飛ぶときに翼を広げると赤い部分が入っているのがわかります。
ちょっぴりしか見えないところの粋なおしゃれですね。

 

 

この宝石のような羽を初めてみた18世紀の冒険家はいったいどうしたでしょう。
きっと、王様に献上して誉めてもらおうとか、貴族に高く売ろうとか考えたはずです。
それで、たくさん捕獲されてついには絶滅に追い込まれてしまいました。

そんな過去を思っても、羽を眺めると、その美しさに魅了されます。
どうして、こんなにきれいな羽なのでしょうか?
動物の色の目的は、警戒色・保護色・婚姻色と言われています。警戒色は「毒がありますよ」「危険ですよ」と予め示すことで身を守る色です。スズメバチの黒黄のシマシマとかです。
婚姻色は、今、「お嫁さん募集中ですよ」と相手にわかる色です。クジャクのオスの尾羽などです。
コンゴウインコについては、警戒色ではないし、一年中同じ色なので婚姻色でもありません。
それなら、保護色。
保護色と言ったら、目立たないような地味な色というイメージがありますが、コンゴウインコのいる場所は、熱帯雨林の地域です。
真夏の太陽が年中ギラギラしていて、紫外線も強くて眩しいです。
ギラギラと強い紫外線の下で、見上げたときに黄色や赤はそのギラギラ感からかえって目立ちません。また、この地域の花はランなどとっても派手なものが多いです。
コンゴウインコの派手な色は、ギラギラ光線の下で、派手な植物のなかでの保護色と言われています。本当に不思議な鳥です。

ギラギラ光線が似合うコンゴウインコ、盛夏の今が見ごろですよ。

著者プロフィール

高田 真理子 (たかた まりこ)
1957年5月4日 福岡市生まれ。筑紫女学園高校を卒業後、宮崎大学農学部獣医学科を1981年に卒業し、獣医師となる。
動物が大好きで小学生の頃から動物園の獣医さんを志して、1983年に念願の海の中道海浜公園・動物の森の獣医さんになった。
以降30年間にわたり動物たちの治療や衛生管理を行ってきた。その間、動物の世話や治療だけではなく、「動物をもっと好きになって、動物ってすごいよ、すてきだよ」と子ども達に『動物の森一日飼育員』『動物ふれあい教室』等のイベントを行なったり、機関誌『動物の森だより』を作ったり、動物相談に応じたり、動物の森ZOO ボランティア育成を行ったり動物に関する事の全般を行った。
2013年4月からは福岡県の大牟田市動物園で獣医師として新たな動物園ファン作りをしています。
九州沖縄ブロック動物園水族館獣医師臨床研究会(kozavg)代表。現在福岡市東区在住。
学芸員、社会教育主事、プロジェクトワイルドファシリテーター、公園運営管理士。

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