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Vol.21 角が抜けたど~!

2015.12.20

アメリカ大陸で独自の進化をしたプロングホーンは、
1科1属1種と分類学的にはとても貴重な種です。
平たくいえば、遺伝的に近い動物がいない『変わりもの』ということです。

角は一風変わっていて、毎年生え変わるのですが、
シカのように落角するのではなく、
角の鞘(さや)が抜けるだけで、基の部分は残っているので、
角が落ちた後、頭部には新しい角があります。
このような角を持つのは、プロングホーンだけなのです。

さて。ブッチの角が生え変わるのは、通常11月初めから中旬にかけて。
これまで一番遅かった時でも11月14日でした。 それが、12月になっても抜けません! 担当者たちは毎日ブッチの角を触っては、まだかなぁと気をもんでいました。

それまでしっかりついていた角が、12月5日に少し動くようになりました。
根元の方も指先でたたいた時の音が、いつもと違います。
そして、翌日獣舎に行ってみると

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「おはよう」と顔をだしたブッチの頭に角が1本足りません。
ついに抜けた!!

2

あれ、近くで見ると少し血が出たみたい。
でも、大丈夫。傷は小さく、すでに出血は止まっていました。

さて、角はどこに落ちているのかな?
寝室内にはありません。
サブに出てみると、

3

なんとフェンスに引っかかっていました。
角遊びをしているときにやったのでしょうか?

そして翌日の朝には、右側も抜け、やっとこの時期らしい姿になりました。

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上から見るとちょっと角に見えませんね。。。

5

ところで、抜けたて?の時期の、新しい角はどうなっているかというと

6

根元の方に毛が生えていて、これから成長していくために
とても血流が盛んで温かいです。先端はまだ弾力がありデリケートな感じでした。

さて抜けた2本の角は、

7

いつか角ガイドなどでみなさんにもお見せしましょうね。

著者プロフィール

原 久美子 (はら・くみこ)

1959年生まれ。東京都出身。日本女子大学(現)理学部の卒論で動物園にはまり、上智大学院理工学研究科修士課程修了。
1985年から野毛山動物園に勤務、主に鳥類の飼育に携わる。横浜市繁殖センター、市役所動物園管理部門を経て2012年から金沢動物園園長。

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