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Vol.26 一子相伝!!

2018.3.26

 タイトルには一子相伝と書いていますが、別に仰々しい訳でもなくただ単に本格的に深海生物担当を次の世代にバトンタッチできるように色々と覚えてもらうおう!と真剣に考え始めました。もともと深海生物の担当補助はいるのですが、メインの担当はもう7年ほど僕がやっています。たまに担当補助に回ったりもしてるのですが、なぜか最終的に僕のところへ帰ってきてしまう(汗)。補助のスタッフには一通りのことを既に教えているのですが、深海生物の場合水質やら水温やらシビアな部分があるのと、普段接している生物達と習性がかなり違ったりと意外と難しいようです。

 

 

 そもそも深海生物の場合、飼育する生物の情報が圧倒的に他の生物よりも少ないので、分かるところから色々と推測しながら飼育するしかありません。と言っても、すぐに分かる情報もいっぱいあって、体型や口の位置、ヒレや脚の位置、ハサミ脚の形状なども重要です。そして底生なのか遊泳性なのか等々、観察することで分かることもたくさんあります。そういった情報からどんな物を食べているのかを考えて色々なエサを試します。例えばアカマダラサンゴエビという水深300mほどに棲むエビは、水の流れに逆らうように毛の生えた脚をいっぱいに広げて流れてくるエサをとっているようなので、水流に乗せてエサをあげたところ、ちゃんとエサを食べてくれました。

 

 

 こういったものは経験がかなり重要になるんじゃないかと思われる方もいると思いますが、先ほどのアカマダラサンゴエビの例でも分かるように実際はそんなことも無くちょっと観察して考えればすぐに分かることも多いので、深海生物を見る時にはこの生き物は何をどのように食べているのか、想像しながら観察してみるのもいいかもしれません。そして、担当飼育員を見つけたら答え合わせしてみると、より面白みが増すかもしれませんね。

著者プロフィール

戸館 真人(とだて・まさと)

東海大学大学院水産学専攻博士課程前期 修了
学芸員
2010年 蒲郡市竹島水族館 勤務。
以降、海水魚、深海生物、カリフォルニアアシカなどの生物や広報、物販などの担当。
2015年 カピバラ、事務、経理も担当。

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