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Vol.82 ミョウガガイ

2023.3.21

 今回はよく貝と間違われるミョウガガイという生き物をご紹介します。水深100ⅿより深いところに生息し、名前から貝の仲間と思われる方が多いですが、貝の仲間ではなく甲殻類の仲間でフジツボに近い仲間です。カメノテというとご存じの方もいるかもしれませんが、そちらにより近いです。生まれてすぐは甲殻類特有のノープリウス幼生ではじまり浮遊生活をします。そのうち好み?の場所に落ち着いて成長して写真のような姿になります。蔓脚類(蔓脚は頭の部分から出ている熊手みたいな部分です。これでご飯をとります。)という生き物の仲間ではかなり大型ですが、オスは非常に小さく、1mmくらいの大きさだそうです。一方でメスは体長10cmを超えるので、大きくて目立つ写真のようなコはみんなメスということですね。
 あまり動かなそうに見えますが、ちゃんと立つように石のすき間などに差し込んであげるのですが、翌朝にはいつも倒れています。蔓脚を出し入れする姿も比較的見れますので、水族館で見かけた際にはよく観察してあげてください。

著者プロフィール

戸舘 真人(とだて・まさと)

東海大学大学院水産学専攻博士課程前期 修了
学芸員
2010年 蒲郡市竹島水族館 勤務。
以降、海水魚、深海生物、カリフォルニアアシカなどの生物や広報、物販などの担当。
2015年 カピバラ、事務、経理も担当。

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