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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.57 浮き彫りになりました。

2020.12.28

 10年ほど前、僕が竹島水族館に来たときに興奮した深海生物の中にカルイシヤドカリという変わったヤドカリがいるのですが、いつの頃からかカルイシヤドカリの中にハサミの形が違う子がいるのに気づきました。色々な人に聞いてみてもなかなか種類が分からず暫く忘れていたのですが、ある日館長のお知り合いのヤドカリに詳しい方にカルイシヤドカリとハサミの形が違う子の両方の写真を送ったところ、なんと衝撃の事実が!!

 

 

 なんと今までカルイシヤドカリだと思っていたのがウキボリヤドカリという違う種類で、ハサミの形が違う別種だと思っていた子がカルイシヤドカリだったのです。なんで2種とも軽石に入っているんだ!どうやって穴を開けているんだ!!ということは謎なのですが、一つ疑問が溶けてすっきりしました。話を聞くと違いが分かるのですが、聞いてみないと正直全然気づかないといった特徴で、まだまだ観察力不足というのを痛感させられました。

 

 

実は他にもイイジマオキヤドカリとアシボソシンカイヤドカリという正直区別がつかない種類がいるのですが、それもちゃんと教えていただきました。やはりちゃんとした人に色々ご指導願う必要があるなと切に感じました。

著者プロフィール

戸館 真人(とだて・まさと)

東海大学大学院水産学専攻博士課程前期 修了
学芸員
2010年 蒲郡市竹島水族館 勤務。
以降、海水魚、深海生物、カリフォルニアアシカなどの生物や広報、物販などの担当。
2015年 カピバラ、事務、経理も担当。

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