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Vol.27 真夏の深海生物

2018.5.7

 前回深海生物の担当引継ぎをし始めましたとお伝えしましたが、実は深海生物の飼育は深海生物がたくさんやってくる冬ではなく、これからの真夏が一番神経を使います。何故かというと、皆さん直ぐに分かったかと思いますが、ずばり暑いから!!深海生物は冷たい水の中で生活をしているので、真夏の気温は命取りになります。さらに、竹島水族館では海から海水を引いて使っていますが、竹島水族館周辺では真夏は海水の比重が極端に落ちます。深海生物にとっては良いことが1つもないのです。

 

 

 そのため真夏の換水はション便小僧のごとくチョロチョロとごく少量の海水を数時間かけて給水し、急激な温度差や比重の変化が無いようにします。徐々に変化させる分には比較的負担も無く大丈夫なのですが、急激な水温の変化や比重の変化は生物のショック死や、カニなどの場合は脚の自切(自ら切り離してしまう)をおこしてしまう事もあります。その後、給水により比重の下がってしまった海水については、ミネラルを含んだ原塩を少しずつ溶かして調整していきます。この作業もかなり気を使うのですが、ある程度慣れてくると大体の量などが感覚としてわかってきます。
 少し元気がないなという場合、冬ならばいつもよりちょっと多めの換水で元気になってくれることも多い深海生物ですが、それが出来ない夏はまさに正念場となります。

著者プロフィール

戸館 真人(とだて・まさと)

東海大学大学院水産学専攻博士課程前期 修了
学芸員
2010年 蒲郡市竹島水族館 勤務。
以降、海水魚、深海生物、カリフォルニアアシカなどの生物や広報、物販などの担当。
2015年 カピバラ、事務、経理も担当。

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