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Vol.35 美味しそうだけど美味しくないウニの話

2019.1.28

 前回に引き続き地味目な深海生物をご紹介したいと思いますが、名前はインパクト抜群のヤマタカタコノマクラです。ちょっと分かりにくいと思いますが、いわゆるウニの仲間です。水深50~300mに生息していて、いくつかの水族館で飼育記録はありますがほとんど見かけることも無く、ボクも竹島水族館以外で見たことはありません。

 

 

 見た目に関していうと長い棘はなく、短い棘で覆われていて横から見ると山のような形をしています。どちらかというと枕というよりはお饅頭のようでなかなか美味しそう。タコノマクラの英名はsea biscuits(海のビスケット)というらしく、外国の方にもおやつ系の食べ物に見えるらしいです。さらに名前からして美味しそうな仲間がいて、カシパンというウニもいます(当然のように名前の由来は菓子パンから来ているそうです)。なかでもフジヤマカシパンという種類は名前も美味しそうですが、見た目がどう見ても甘食です。
そんな美味しそうな見た目のウニたちですが、致命的な弱点としてはそもそも食用でないというところでしょうか。食用でない理由は生殖巣がおおきく発達しない事や、見た目が悪かったりものによっては異臭がするなど色々とあるようです。昔ハスノハカシパンという種類を食べてみたことがありますが、正直なんにも覚えてません。何も覚えてないという事は凄く美味しかったわけではないことは間違いありません。

 

 

 最後にですが、タコノマクラとカシパンは仲間と書きましたが、ヤマタカタコノマクラはClypeasterinavon亜目(タコノマクラ亜目)、フジヤマカシパンはScutellina亜目となり、亜目レベルで分類が違います。

著者プロフィール

戸館 真人(とだて・まさと)

東海大学大学院水産学専攻博士課程前期 修了
学芸員
2010年 蒲郡市竹島水族館 勤務。
以降、海水魚、深海生物、カリフォルニアアシカなどの生物や広報、物販などの担当。
2015年 カピバラ、事務、経理も担当。

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