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Vol.31 深海シーズンの訪れ

2018.9.23

 夏休みも終わり、9月もそろそろお終いですがみなさん如何お過ごしですか?竹島水族館では9月になると深海底曳網漁が始まるので、深海シーズンがやってきます。といってもまだまだハイシーズンは先の事で、外気温がどんどん下がって海の表面水温も下がってからがハイシーズンです。大体11月の終わりから12月からになります。人間とはちょっと気が合わなくて、すごく寒い時こそ深海生物には過ごしやすいのです。というわけで本来は深海生物が来ない時期には変わりないのですが、なぜか当館の地下アイドル的存在のオオグソクムシだけはチラホラとやって来ています。

 さて、話は変わってなぜ竹島水族館は深海生物が沢山いるのでしょうかという質問をよく受けます。実は竹島水族館がある蒲郡市は愛知県で唯一「沖合底引き網漁」が行われており、僕たちが深海底曳網漁と呼んでいるものの正式名称です。複数県の海域にまたがり、水深100~500mで漁を行うので、農林水産大臣の許可がいる指定漁業となっています。主な漁獲物はアオメエソ(メヒカリ)やニギス、アカザエビなどで、その際に一緒に捕れる漁師さん達のいらない生き物(混獲生物)、言ってしまえば皆さんが食べない生き物を分けて頂いているので、深海生物が沢山いるのです。

 そういった中にはやはり珍しい生き物もいて、新種や国内からは初めて報告されるのものなどもいます。竹島水族館はあまり調査研究はやっていないのですが、こういった報告などはやっているんですよ。

 漁師さん達は夜中に帰ってくるので、深夜2時頃に呼び出されることもしばしば。一瞬着信を見なかったことにしようかと悪い心が囁きますが、真面目にちゃんとやってます。

著者プロフィール

戸館 真人(とだて・まさと)

東海大学大学院水産学専攻博士課程前期 修了
学芸員
2010年 蒲郡市竹島水族館 勤務。
以降、海水魚、深海生物、カリフォルニアアシカなどの生物や広報、物販などの担当。
2015年 カピバラ、事務、経理も担当。

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