日本全国の動物園と水族館をつなぐ情報誌、「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」公式Webサイト

どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.41 ドイツ視察の旅2

2019.7.31

 前回の続きですが、実はドイツの動物園や水族館ですごく感じたことは水族館も動物園も生き物だけでなく、見る側の人間にも非常に配慮されているつくりだという事。動物園では障害物(ここでは人工の柵や機械類)を見えなくする、または排除することによって、見る側の人間のストレスも軽減する工夫が多くしてあるということです(一応低い柵はあるのですが、それはどちらかというと人間が近づきすぎないようにしてあるようです)。皆さんも動物園で「あの柵が邪魔だなぁ」とか感じたことはありませんか?もちろん柵が無くても動物が放飼場から出てこないように工夫がされているのですが、外側から見ている分には気づきません。これは意識的に見ていないと気付かないことなのですが、逆を言えば来館者は自然と生き物に集中出来るという事で、柵などが邪魔な場合はどうしてもそちらに意識が向かいがちですが、柵さえなければストレスも無く、より動物との距離も近く感じられます。また、水族館では水流を作り出すポンプなどの機械類は配置が非常に重要なので、隠しにくい部分もあるのですが、それらも上手に隠しています。また、爬虫類などの展示では自然光が入る工夫が多く取られているので、動物園に比べ狭い環境であるにもかかわらずなかなか開放感があります。日本の法律上難しい部分も多そうですが、自分たちも積極的に取り入れていかなければいけない意識だと感じました。
 今回色々な施設を見てまわって、見る側がその空間をどう感じるかということをもう少し突き詰めていかないといけないなと感じました。小難しいことではなく、お客さんが展示を見た瞬間に、その生き物や空間に集中できるものをどう作っていくか、それが今後の課題になりそうです。一から水族館や水槽を設計して建てるのではなく、既存のものをどのように工夫で改善するか。かなりハードルが高そうです(汗)。

著者プロフィール

戸館 真人(とだて・まさと)

東海大学大学院水産学専攻博士課程前期 修了
学芸員
2010年 蒲郡市竹島水族館 勤務。
以降、海水魚、深海生物、カリフォルニアアシカなどの生物や広報、物販などの担当。
2015年 カピバラ、事務、経理も担当。

カテゴリー

カテゴリー一覧

このカテゴリーの他の記事

ページTOPへ

Copyrights © 2010 Doubutu-no-kuni All Rights Reserved.
誌面、Webにおけるあらゆるコンテンツの無断複写・転載を禁じます。