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Vol.4 古賀忠道さんという象徴

2012.9.4

「古賀忠道さんを知っていますか?」などと言っておきながら、私自身、古賀さんと親しくお話したことがありません。幾度か動物園内でお会いはしましたが、遠くからその背中を憧れの目で眺めていたか、相対峙しても軽く会釈する程度でした。その挨拶の機会でさえ、恐れ多くて真正面からご尊顔を拝することはできませんでした。若輩者の私にとって、それほど偉大な人物でした。

 

 

以前にもどこかで書いたことですが、そのような大人物と一度だけお話しするチャンスがありました。数十年前に、みさき公園のN田獣医さんと上野動物園を訪れていた時のことです。彼が、「古賀さんに呼ばれとうから一緒に行かへんか?」と誘ってくれたのです。でも、やはり恐れ多くて同行できませんでした。後から、「どんな話、したん?」と、彼に根掘り葉掘り尋ねたのを覚えています。どうしてあの時、ほんの少しの勇気を振り絞って一緒に行かなかったのかと、今でも後悔しています。

 

 

ですから、私が古賀さんを引き合いに出す時は、いつも想像の世界なのです。たとえば、「古賀さんなら、どう思っただろうか?」とか「古賀さんなら、どう対応しただろうか?」などと考えるのは、動物園の中で行き詰まった時です。つまり、私にとって古賀さんという存在は、動物園における将来的な展望や国際的な視野のシンボルのようなものです。

著者プロフィール

村田浩一(むらた・こういち)

1952年神戸市生まれ。
1978年から2001年まで、神戸市立王子動物園で獣医師として働く。
2001年、日本大学生物資源科学部へ転職し、2011年からは、よこはま動物園ズーラシア園長を兼務。日本野生動物医学会会長(現顧問)、IUCN/Wildlife Health Specialist Group東アジア地区委員長。専門は野生動物医学、動物園学。楽しく学べる動物園を目指して、日々、動物園内で主に楽しんでいる。趣味は、自然の中で静かに佇むこと。

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