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Vol.11 エカルマ島でのシジュウカラガンの放鳥

2016.11.28

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 本当であれば一機だけでなく二機をチャーターすれば、たくさんのシジュウカラガンを放鳥できたのでしょうが、大型ヘリコプター一機をチャーターする費用は高額ですので、二機は無理でした。そこで、一回の放鳥数は一機が運べる最高の70羽くらいでした。70羽を何個かのケージに分けて運んだ時は、我々スタッフはケージの隙間を見つけてそこに座っていました。有視界飛行が前提のヘリコプターですから、悪天候により予定日に飛べないことは何回もありました。また、カムチャッカが晴れていても、千島列島が雨だと飛び立てなくて歯がゆい思いをしたことは数えきれません。

 

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 放鳥は、崖があって、すぐには海にシジュウカラガンが行けない所、沼のような水辺があり、島では唯一高木のハンノキの林の近くで、川が流れているところに集中して行いました。放したらすぐにその場から飛び去るのかと思ったら、そうじゃないんです。ほとんどが、ケージから出るとゆっくり歩いて草むらの中に入って行って、放した場所から遠くに行かないんです。飛ぶ個体も少しはいますが、数m飛んですぐに地上に降りてしまいます。翌日放鳥場所付近を調査すると、ほとんどの鳥が近くにいて遠くに移動していませんでした。川の中に隠れている個体が多かったです。

 

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 放鳥の時期は、その年に孵化した雛がある程度大きくなった8月から9月初めを選定しました。

 

4

 

第九回
   助けて 「パマギーチェ」 気をつけて 「アストロージナ」

著者プロフィール

阿部敏計(あべ・としかず)

1956年山形県生まれ。
小さい時からネズミや鳥を捕まえては自宅で飼っていました。
そして、近くに小さな児童動物園があり、母親の実家が仙台で、夏休みといえば八木山動物公園に行っていました。
そんな、そんなで動物園で働きたいと思うようになりました。
東北大学の農学部畜産学科の修士課程修了です。
シジュウカラガンの飼育係などから、係長、課長になり、現在は副園長です。

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