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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.24 種の保存

2019.1.23

 みなさま、こんにちは。鳥担当になって、産卵の時期は卵かけごはんが食べられなくなった木内です。
 日本動物園水族館協会では、絶滅のおそれのある世界の野生動物の中から、日本の動物園や水族館が守っていくべき動物を選び、種の保存の対象種としています。シジュウカラガンもその種のひとつになっています。以前このコラムでお伝えした通り、当園はシジュウカラガンの種別調整園という、全国の動物園で飼育されているシジュウカラガンの出生や移動の情報などをまとめる仕事を担っています。
 毎年この時期になると、全国のシジュウカラガン飼育園から去年1年間のシジュウカラガンたちの情報が集まってきます。その情報をもとに、シジュウカラガンの戸籍のようなものを作成し、今後もシジュウカラガンを継続的に動物園で飼育し、種を絶やさないようにしていくための計画をたてます。
 日本の動物園で飼育されているシジュウカラガンは、元はといえば、アメリカのパタクセント野生生物研究所から譲り受けた9羽のシジュウカラガンです。現在100羽ほどいる全国の動物園のシジュウカラガンたちは、ほとんどがどこかしらで血がつながっていることになります。野生に復帰させるバックアップ機能をもたせるためにも、少しでも遺伝的な多様性を残していけるように、ペアの選定や動物の移動を行う必要があります。
 日本への野生渡来数は増加してきているものの、依然として環境省のレッドリストでは絶滅危惧IA類という、コウノトリやヤンバルクイナと同等の分類となっています。シジュウカラガンは、他の希少鳥類に比べ、一般の方からの知名度が低いように思います。ゾウやキリンのようにお客様からも大人気!…という動物ではありません。しかし、人の都合によって変えられてきたシジュウカラガンの過去を、また、絶滅の危機に瀕した動物を保全していくのがいかに難しいのかを伝えていくことは、動物園のもつ役割として大切なことだと思っています。地味でなじみの薄いシジュウカラガンですが、たくさんの人に知ってほしい鳥です。

著者プロフィール

木内明子 (きうち・あきこ)

1992年東京都生まれ。
大学では長野県でウシに囲まれながら過ごす。
2014年から仙台市八木山動物公園で働き始める。
のんびりした動物好き。

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