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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.21 換羽

2018.8.11

お久しぶりです。昨年に引き続き、この『ガンガンいこうぜシジュウカラガン』を担当させていただきます、木内明子です。シジュウカラガンを担当して5年目です。
繁殖シーズンを終えた鳥たちは、“換羽”と呼ばれる、羽が生え変わる時期に入ります。空を飛ぶために大切な羽も、日々の生活の中で少しずつ古くなっていくので、どんな種類の鳥でも1年に1回は換羽を行います。いわば鳥たちの衣替えです。この衣替えも鳥たちの生活様式や環境の違いによって、いくつかの種類があります。
シジュウカラガンなどのガンやカモの仲間、ツルの仲間はばーっと全身の羽が抜けてばーっと生えてきて短期間で交換するタイプの換羽を行います。一時的に飛べなくなってしまうというリスクがありますが、短い期間で換羽を完了させることができます。
写真は、オオハクチョウの風切り羽がちょうど抜け始めた時期のもので、羽がばらばらの方向に飛び出ています。ちょっと引っ張っただけで抜けてしまいそうです。

一方、ワシやタカの仲間などは飛べなくなってしまうと狩りができず、生死にかかわってしまうので、ぽろぽろと数枚ずつ換羽を行います。完了までに時間がかかりますが、換羽中も空を飛ぶことができます。
フンボルトペンギンも鳥の仲間なので、もちろんほかの鳥と同じように換羽を行います。目の周り、嘴、足以外の場所には細かい羽がびっしり生えているのですが、換羽中は羽がふくらんでしまい、上手に泳ぐことができません。そのため、換羽の前にたくさん食べて栄養を蓄えて、換羽中はほぼ絶食状態で過ごします。
1枚目のフンボルトペンギンは換羽中盤で、体の羽が抜けている状態です。
2枚目の右の個体は、頭は古い羽ですが、胴体には新しい羽が生えてきています。左の模様が違う個体は、幼鳥です。

鳥たちは命がけで衣替えをしているのに、中身を入れ替えるだけの私のタンスには、まだ冬服が入っています。気づいたら秋、なんでしょうか。

著者プロフィール

木内明子 (きうち・あきこ)

1992年東京都生まれ。
大学では長野県でウシに囲まれながら過ごす。
2014年から仙台市八木山動物公園で働き始める。
のんびりした動物好き。

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