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Vol.13 国内への飛来数が飛躍的に増加!

2017.3.10

●放鳥個体の年齢を限定したことが、飛来数増加の大きな誘因となりました。その年生まれか二歳未満に限定して放鳥。
●2005年の寒い冬が、渡りと羽数回復の大きな誘因となりました。
 2005年の冬は、千島列島と日本が例年にない強い寒気団に覆われ、これに誘起されて越冬のために放鳥個体が11羽渡来したと考えられます。寒波の影響で、栃木県と埼玉県まで南下した個体もいたほどです。
 2006年の春に、11羽のうちの7羽が北海道から一緒になって北に帰り、渡りのルートを覚えたことが、翌シーズンの再渡来に繋がったと考えられます。これら7羽のほとんどが毎年飛来するようになり、番いとなって子どもも連れてくるようになり、近年は飛躍的に飛来数が増加しています。

 一度失われた生態系を元に戻そうとするのは、そう簡単にはいきません。苦労があって成果が出ているんだなと、この事業ではしみじみ感じさせられます。仙台市にシジュウカラガンが渡って来る、かつての空を取り戻すことができたら、やっと私たちの苦労が報われるような気がします。
 この鳥たちが戻ってきやすいように環境を良くしたり、シジュウカラガンを知らなかった人たち、特に子どもたちに伝えていくことがこれからは大事です。将来、子どもたちが大きくなる頃には、シジュウカラガンが1万羽、いやそれ以上にまで増えているでしょう。そのときに、「この鳥は絶滅しそうな鳥だったんだ。大事にしなきゃいけないな。」と思ってもらえるよう、シジュウカラガンのことを伝えていくのが今後の我々の役目だと思います。
 私、定年退職を迎えることから、今回で私の掲載が最後になります。つたない文章で申し訳ありませんでしたが、最後までお読みいただき本当にありがとうございました。田井様には大変お世話になり、本当にありがとうございました。紙面をお借りしまして、御礼申し上げます。「どうぶつのくに」の益々の発展を祈念しております。

次回からは、八木山動物公園でシジュウカラガンを実際に飼育担当しております木内 明子さんが「ガンガン行こうぜ、シジュウカラガン」を引き継ぎます。こうご期待ください。

最終回
   ビール  「ピーヴァ」 水 「ヴァダ」 紅茶 「チャイ」
   コーヒー 「コーフェ」 ジュース 「ソーク」
  今回で簡単なロシア語講座も終わりです。ダスビダーニャ!

著者プロフィール

阿部敏計(あべ・としかず)

1956年山形県生まれ。
小さい時からネズミや鳥を捕まえては自宅で飼っていました。
そして、近くに小さな児童動物園があり、母親の実家が仙台で、夏休みといえば八木山動物公園に行っていました。
そんな、そんなで動物園で働きたいと思うようになりました。
東北大学の農学部畜産学科の修士課程修了です。
シジュウカラガンの飼育係などから、係長、課長になり、現在は副園長です。

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