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Vol.19 ガンの育雛

2018.4.18

こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか。
八木山動物公園では、今年もガン類の繁殖が始まっています。
第一陣として、ハワイガンのヒナが2羽孵化しました。
残念ながら、先に孵化した方のヒナは親に育雛を放棄してしまったため、人工育雛へと切り替えました。
鳥類のヒナは、生まれてすぐ親にくっついて歩きはじめる早成性のものと、しばらくは巣の中で親から餌をもらって成長する晩成性のものに大きく分けられます。
ハワイガンのヒナは早成性なので、最初に指で餌をつんつんとすることで食べ方を教えたあとは、自分で餌を食べてまわります。孵化後早い時期に人工育雛へと切り替えたため、人への刷り込みが入り、後ろをついてきます。

鳥類の育雛をすすめる上で、脚弱やエンゼルウィングとよばれる羽が反転してしまう症状に気を付けています。
これは体の成長と栄養のバランスが重要で、餌を食べさせすぎたり、運動が不足すると発症してしまいます。放っておくと餌だけ食べてあまり動かず、運動不足になってしまうので、一緒に散歩して運動させるようにします。


このバランスがとても難しく、このヒナも少し羽の反転が見られてしまいました。これ以上悪化しないよう、獣医師にバンテージで翼を固定する処置をしてもらいました。
親に育てられているもう1羽のヒナは、このようなこともなく順調に成長しています。今まで何羽か人工育雛を経験しましたが、親に代わり人の手で育てることのむずかしさを改めて実感しました。
 この1年間、ガンについて書いてきましたが、今年度は他の動物のトピックも混ぜつつ、八木山動物公園の動物たちの話題を紹介していこうと思います。

著者プロフィール

阿部敏計(あべ・としかず)

1956年山形県生まれ。
小さい時からネズミや鳥を捕まえては自宅で飼っていました。
そして、近くに小さな児童動物園があり、母親の実家が仙台で、夏休みといえば八木山動物公園に行っていました。
そんな、そんなで動物園で働きたいと思うようになりました。
東北大学の農学部畜産学科の修士課程修了です。
シジュウカラガンの飼育係などから、係長、課長になり、現在は副園長です。

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