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Vol.16 手作りのリング

2017.11.4

こんにちは。
皆様いかがお過ごしでしょうか。宮城の秋はあっという間で、早くも冬の気配がしています。今年度のガン類の渡来シーズンも始まり、宮城県にある沼にはマガンやハクチョウ類が越冬のためにやってきているようです。
今回はシジュウカラガンの識別について書こうと思います。現在八木山動物公園では、およそ30羽のシジュウカラガンを飼育しています。シジュウカラガンの特徴は、白い頬、首の輪、扁平な頭の形です。多少の違いはあれど、シジュウカラガンはみんなこの姿なので、毎日見ている担当者でも見た目での個体識別は難しいです。

では、どうやってどれが誰なのかを見分けているのかというと…

担当者は足に着けているこのリングで、個体を見分けています。

当園のシジュウカラガンは2種類のリングを着けています。
1つはプラスチック製のカラーリング、1つは金属製の足環です。金属製の足環は耐久性がありますが、遠くから刻印されている文字を読み取ることはできません。一方でプラスチック製のリングは壊れやすいですが、一目で識別することができます。この2種を組み合わせることで、ほぼ永久的に離れた場所からでも個体を識別することができます。他にはマイクロチップを体内に埋め込むことで、個体を判別する方法もあります。
これらのリングはすべて担当者の手作りです。
鳥担当に代々伝わる、八木山流の足環作成の様子をちらっとお見せします。

ステンレスの板を足に合ったサイズに切断して

個体ごとに決めた番号を打刻していきます。

とんかちで「えいっ」と打刻。

足を傷つけないように角をとり、ペンチで曲げて成形します。

カラーリングは塩化ビニルのカラー板をお湯で煮込んで作ります。この板は熱可塑性なので、熱を加えるとふにゃふにゃと柔らかくなります。金属の方と同じように、角をとったカラー版を沸騰したお湯に入れ、柔らかくなった板を熱いうちにピンセットでくるっと巻き、足に合う形に成形していきます。

個体の識別ができると、同じように見えるシジュウカラガンでも個体の関係性や特徴が見えてきます。

著者プロフィール

木内明子 (きうち・あきこ)

1992年東京都生まれ。
大学では長野県でウシに囲まれながら過ごす。
2014年から仙台市八木山動物公園で働き始める。
のんびりした動物好き。

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