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Vol.17 ガン種別調整園

2018.1.5

こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか。
八木山にもついに、池が凍る季節がやってきてしまいました…野生のシジュウカラガンがアリューシャン列島から越冬のために日本にやってくる季節です。八木山のシジュウカラガンたちも冬に備えて体ができてきて、ぎっしり身が詰まっています。
 以前、このコラム上で当園の阿部が書いていたように、八木山動物公園では長年にわたり、シジュウカラガン羽数回復事業に取り組んできました。キツネが繁殖地であるアリューシャン列島の島々に放たれた影響で、シジュウカラガンは絶滅の危機に瀕していました。シジュウカラガンを繁殖させ、方法を変えて試行錯誤しながら、最終的にはかつての繁殖地である千島列島のエカルマ島での放鳥により、野生羽数を増やし日本への渡来を復活させることに成功しました。
 絶滅危惧種であるシジュウカラガンを守っていくためには、野生羽数を増やすだけではなく、生息域外保全の役割を果たしていく必要もあります。この生息域外保全とは、安全な施設である動物園などで保護し、育てて増やすことにより種の絶滅を回避するという方法です。
当園はシジュウカラガンの種別調整園を担当しています。これは、全国の動物園で飼育されているシジュウカラガンの出生や移動の情報などをまとめ、計画的にシジュウカラガンという種を維持していこうというものです。
 飼育をしていく上で野生に戻す可能性も考慮し、遺伝的な多様性をできる限り保持していかなければいけません。両親の血統を考え、近親交配を防ぎながらペアリングをしていきます。もちろんペア同士の相性もあるので、どの個体とどの個体が『いい感じ』なのか観察しながら記録します。
そのためにも、前回お話しした個体の識別が重要なのです。

個体識別ができると、一見ただの群れの写真も、シジュウカラガンたちの関係性が見えてきて面白いのです。

著者プロフィール

木内明子 (きうち・あきこ)

1992年東京都生まれ。
大学では長野県でウシに囲まれながら過ごす。
2014年から仙台市八木山動物公園で働き始める。
のんびりした動物好き。

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