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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.7 どうぶつとの距離感

2013.11.1

さて。 ミナミゾウアザラシの丸子さんと飼育スタッフとのつながりが今の二見シーパラダイスの基本になっていますが、現在の飼育スタッフたちは丸子さんの若い頃を知りませんので、実際の丸子さんとの関係・・・と言われても経験としては晩年の丸子さんしか知りません。
でもなんとなく分かっている現場にある「二見シーパラダイスらしさ」というものが丸子を通してスタッフを通して現在までずっと引き継がれています。

今までに何度か話に出てきたゴマフアザラシの小丸ちゃんが生まれた時も、まさに丸子が娘の夢海子を出産した時と同じような状況だったと思います。

丸子が夢海子を産んだ時は、丸子が娘にしっかりとミルクをあげることができなかったので、スタッフが丸子から搾乳してそのミルクをスタッフが夢海子に飲ませて元気に育ちました。なので、出産直後から離乳までの時期を丸子はスタッフと二人三脚で過ごしています。
それだけスタッフが近くに居ても気にしなかった丸子さんでした。

お母さんゴマフアザラシのワインちゃんが小丸を産んでくれた時も同じような感じで、出産前からスタッフに見守られ、出産の時ももちろんスタッフの目の前で出産しています。

小丸の出産を見守るスタッフたち

これが良いとか悪いとかの話ではなくて、丸子が残してくれたスタッフと動物たちとの距離感のお話しです。

小丸の出産直後 

もちろん個体によりけりの部分もありますが、全体的に当館の動物たちはスタッフを警戒しないという・・・同じ空間に居ても気にならないのが丸子が残してくれた二見シーパラダイスらしさなのです。

出産後の観察

なので、出産や初授乳をカメラに収めようとスタッフが近づいても平気です。
丸子が亡くなってしまった現在でも、スタッフのことをお手伝いさん扱いする頼もしい動物たちに育ってくれる雰囲気はまさに丸子が残してくれた宝物です。

初授乳を手伝うスタッフ

これかもこのような雰囲気をずっと残しつつ、二見シーパラダイスらしさを受け継いで行きたいと思います。

著者プロフィール

田村龍太 (たむら・りゅうた)

1976年生まれ。大阪府出身。
1996年二見シーパラダイス(現 伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス)入社。
現在飼育全般の管理と若いスタッフへのくだまき係をしている。「自分を生かしてくれている世間様のために還元!」と自らを正当化して時々突発的な大きな買い物をする。

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