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Vol.59 人工保育中のアシカの赤ちゃん その後

2019.8.26

今年の6月28日。伊勢シーパラダイスにてまさかの仮死状態で生まれて来たカリフォルニアアシカの赤ちゃん。
その後、良い意味で予想外に順調に育ち、生まれた時は6.5㎏だった体重が生後2か月で14㎏にまで大きくなりました。

哺乳瓶でミルクを飲んでくれたのがとても良かったです

出だしが(生まれた時が)大変な子だったのでその後もいろいろと困ったことが続くだろうと何の疑いもなく思っていたのに、拍子抜けするほど問題なく育ってくれています。

毎日餌切り場をウロウロしている赤ちゃん

今回仮死状態で生まれたにもかかわらずその後順調だったのは、結果的に出産直前まで赤ちゃんはお母さんのお腹の中で無事だったこと。最終的にミルクを哺乳瓶で飲んでくれたことだと思います。

最近展示プールに慣れる練習をしています

仮死状態で生まれた赤ちゃんに人工呼吸や心臓マッサージをしていた当時のスタッフは赤ちゃんが絶対に助かると確信していた訳ではなく、職業病的自然に、ある種自動的に目の前の赤ちゃんを何とかしようと必死なだけでした。その対応の中で心臓が動き始め、そして自発呼吸をし始め、そうこうしているうちに仮死状態からよみがえった!といった感じです。
変な話ですが対応していたスタッフ自身が「うわっ!蘇生したっ!スゴイ!」と驚きました。なぜなら今までに聞いたことが無い事例ですし、おそらく日本で初めての事ではないでしょうか。

移動はもっぱらスタッフの抱っこです

アシカの赤ちゃんの持って生まれた「生きる力と精神力」が今回の奇跡的な蘇生に繋がったとしか思えません。

スタッフに甘える赤ちゃん

楽観的になるにはまだ早いですが、とにかく今も生きてくれている赤ちゃんはありがたいことに順調に成長してくれています。
スタッフの近くで甘やかされて育っているのでわがままな子に育ちそうな気がします(笑)

著者プロフィール

田村龍太 (たむら・りゅうた)

1976年生まれ。大阪府出身。
1996年二見シーパラダイス(現 伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス)入社。
現在飼育全般の管理と若いスタッフへのくだまき係をしている。「自分を生かしてくれている世間様のために還元!」と自らを正当化して時々突発的な大きな買い物をする。

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