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Vol.11 丸子イズムを引き継ぐ動物たち・トドの小鉄くん

2014.3.29

さて前回から引き続きトドの小鉄くんです。
小鉄くんは1998年に二見シーパラダイスで生まれました。
今は体が大きく ガァアアアアー!と野太い大きな声で皆さんを驚かしてずいぶんと偉そうにしていますが(笑)、生まれた時は難産でなかなか出て来られず、お母さんの足の下で マ~!(オギャ~)と鳴き叫んでいました。
 難産だった小鉄くんはその後無事に出てくることができ、1年間に約100kgずつ体重が増え、どんどん魚をあげていたら10歳で1トンを超すまでになりました。
いくら偉そうにしていても生まれた時から知っているスタッフとしてはいつまでたっても子供のままで、彼に子供ができた時はとっても喜びました。

トドの小鉄くん

そんな小鉄くんに初めての子供が生まれたのは彼が7歳の時。
その後毎年子供が生まれ、今では8頭もの子供がいるお父さんになりました。

出産直後のトドの赤ちゃん

その子供たちはそれぞれ他の水族館に婿入り嫁入りをし、今はお嫁さんのヒナちゃんと2人で二見シーパラダイスで暮らしています。

生まれたばかりの小鉄くんの娘

トドはお母さんが子供を育てるのが普通ですが、小鉄くんは子供と一緒に寝たり遊んだりしていて母親はお乳をあげるだけで済みました。

息子と一緒に寝る小鉄くん

おそらく小鉄くんは子育てに興味を持ったというよりも、子供のトドと居るのが楽しくて一緒に生活していた感じだったと思います。子供たちが二見シーパラダイスから旅立って居なくなった時はなかなか寂しそうでした。

小鉄くんと息子

小鉄くんも、小鉄くんの子供たちも、生まれた時からスタッフが近くに居てスタッフと共に成長してきました。

トド出産の観察中

そうすると子供たちは自然とスタッフとの距離が近くなるので、生まれてから動けるようになってくるとスタッフにちょっかいをかけて遊び始め、すぐ人に慣れます。

近くで写真を撮っても母親は気にしません

この様にスタッフも動物たちもお互いがすぐ慣れていく環境がまさしく丸子が残してくれた大切なものだと思います。

2頭の子供が父と母の後を追ってプールから外へ出てきて飛び入りでショーに参加することもありました

小さい頃からスタッフをはじめとする「人」に慣れ親しんでいく動物たちはまるで丸子の孫たちの様で、しかもみんな丸子の様にスタッフと共に育っています。

小鉄くんと息子

この様な25年以上も続く丸子(動物)とスタッフとの「共に成長していく」関係を今後も大切にしていきたいと思います。

著者プロフィール

田村龍太 (たむら・りゅうた)

1976年生まれ。大阪府出身。
1996年二見シーパラダイス(現 伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス)入社。
現在飼育全般の管理と若いスタッフへのくだまき係をしている。「自分を生かしてくれている世間様のために還元!」と自らを正当化して時々突発的な大きな買い物をする。

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