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Vol.17 丸子遺産の引き継ぎ

2015.1.27

新年明けましておめでとうございます。
 さて今年も、ミナミゾウアザラシの丸子ちゃんから引き継いでいる丸子イズム「スタッフと動物が対等に普通に一緒に居る」という雰囲気を少しでもお伝えできればと思いつつ書いていきたいと思います。今年も宜しくお願い致します。

新人さん(1年目)とゴマフアザラシのサン太くん(11歳)

新人さん(1年目)とゴマフアザラシのサン太くん(11歳)

 そんなわけで。丸子が亡くなった後も脈々と受け継がれていく二見シーパラダイスの丸子イズム・・・昔からいる動物たちがその雰囲気を後世につないで行くことも大切ですが、それと同時にスタッフもその雰囲気を継承しなくてはいけません。

新人さん(1年目)とカリフォルニアアシカのむすびちゃん(2歳)

新人さん(1年目)とカリフォルニアアシカのむすびちゃん(2歳)

 二見シーパラダイスでは毎年数人の新人スタッフさんが現場に入ってきます。そんな現場に入って来たばかりの新人さんが日々奮闘して二見シーパラダイス流のスタッフに育っていくわけですが、まず何を叩き込まれるかと言いますと、仕事をする上で(動物たちと関わる上で)極々基本的なことである「自分勝手(自分の都合)は相手に通用しない」ということを口酸っぱく叩き込まれます。

ゴマフアザラシ息吹ちゃん(0歳)の体重測定をする新人さん

ゴマフアザラシ息吹ちゃん(0歳)の体重測定をする新人さん

 今まで(無意識に)合わせてもらって生きてきた新人さんたちがこの事を感覚的に理解するのはなかなかしんどいと思いますが、「自分の勝手な都合には誰も合わせてくれない」ということを理解してもらわないと成長しません。動物たちもお客さんも「新人さん」の方を向いて生きているわけではないので、新人さんが動物たちやお客さんの方を向かなくてはいけません・・・・そんな極々普通なことから徹底的に叩きもまれます。そしてそれさえできれば二見シーパラダイスではだいたいO.Kで、それができないと丸子イズムを残したまま動物たちと接することはできません。

お客さんの近くで動物を触る新人さんたち

お客さんの近くで動物を触る新人さんたち

 そもそも現場で暮らしている動物たちの方が新人さんよりも先輩です。先輩たちをうやまった上で自分たちの言うことも聞いてもらえるようにしないと二見らしさが残りません(笑)
動物たちと人とがなるべく自然に一緒に居られる環境こそが二見シーパラダイスの「らしさ」です。
この「らしさ」がいつの間にか途絶えてしまわないように、スタッフがしっかりと継承していきたいと思います。

著者プロフィール

田村龍太 (たむら・りゅうた)

1976年生まれ。大阪府出身。
1996年二見シーパラダイス(現 伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス)入社。
現在飼育全般の管理と若いスタッフへのくだまき係をしている。「自分を生かしてくれている世間様のために還元!」と自らを正当化して時々突発的な大きな買い物をする。

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