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Vol.20 ツメナシカワウソの赤ちゃんのその後

2015.6.28

ツメナシカワウソの2頭の赤ちゃんたちですが、2015年3月17日に生まれてからずっと順調だったにも関わらず結局人工保育で育てることになりました。

ツメナシカワウソのお母さんと赤ちゃんたち

ツメナシカワウソのお母さんと赤ちゃんたち

理由は、母親からもらっている母乳のエネルギー量と、赤ちゃんたちの運動のエネルギー量のバランスが悪いみたいで、要は母乳の量よりも運動量がまさってしまった様子です。その為、赤ちゃんたちがだいぶぐったりして動かなくなってきたので断腸の思いで人工保育に変更しました。

プールに入りなさいと誘われる赤ちゃんたち

プールに入りなさいと誘われる赤ちゃんたち

ズリちゃんの、赤ちゃんに対する水泳の練習が厳し過ぎたような気がしないでもないですが、もうそろそろ離乳の時期だったので母乳自体の量が減っていたのかもしれません。

お母さんのまわりで水泳練習中

お母さんのまわりで水泳練習中

さんざん泳がされた後、赤ちゃんたちはもう自力では1歩も動けなくなってかなりぐったりし始めたのでスタッフが2頭とも取り上げて人工保育に切り替えました。
スタッフが取り上げてタオルで拭いてもほとんど動かず。

ぐったりしてしまった赤ちゃん

ぐったりしてしまった赤ちゃん

体を触った感じも冷たいままで、その日はミルクも離乳食も水も何も口にしないまま2頭とも微動だにせずぐっすり寝入ってしまいました。

スタッフが暖めています

スタッフが暖めています

人工保育と言っても、今までずっとお母さんにまかせっきりだったので、自力で排泄ができるのかどうかも、どれぐらい寝るのかも全く分からず。まずはカイロとタオルを敷いた発砲スチロールに入れて体を暖め、そのままスタッフの家に連れて帰ってベッドの横に置いて夜中も様子を見ていました。

熟睡中の赤ちゃんたち

熟睡中の赤ちゃんたち

赤ちゃんたちは夕方の5時ぐらいにスタッフが取り上げてから6時間後の深夜0時になっても起きず、そして排泄もしないので1頭ずつ抱っこしてトイレに連れて行って排泄をうながしてみましたが泣き叫ぶだけで排便をしませんでした。

哺乳瓶でミルクをあげてみます

哺乳瓶でミルクをあげてみます

その後もずっと寝ていて2時半頃にやっとゴソゴソと動き出したので哺乳瓶でミルクをあげてみるとやや強制的ではありますが50mlずつ飲み、とりあえず「よ~~っし!」と夜中にガッツポーズをし、その後朝4時過ぎに自力での排便を確認できたのでとりあえずホッとしました。

少しだけ飲んでくれました

少しだけ飲んでくれました

その後、安定はしていないですがとりあえずなんとかミルクは飲んでくれたのでスタッフの家に連れて帰るのは3日間ほどで終わり、夜は水族館のスタッフルームでお留守番をしてもらいました。

スタッフルームで魚のミンチを食べる練習中

スタッフルームで魚のミンチを食べる練習中

著者プロフィール

田村龍太 (たむら・りゅうた)

1976年生まれ。大阪府出身。
1996年二見シーパラダイス(現 伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス)入社。
現在飼育全般の管理と若いスタッフへのくだまき係をしている。「自分を生かしてくれている世間様のために還元!」と自らを正当化して時々突発的な大きな買い物をする。

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