ありがたいことに。二見シーパラダイスの動物たちはみんな表情があってかわいらしい・・・とお客様からよく言って頂けます。
それは、動物たちが期待感を持った目で人を見ているから何らかの表情を出してくれるのだと思います。

ゴマフアザラシ3姉妹
そういった人間への期待感は、日々の接し方によるところが大きいのかなと思いますけど、期待感を持つ動物たちを維持するにはスタッフはもちろんのこと、勝手ながら身内の様な感覚で暖かく見守って頂けるお客様の力も大きいと思います。
そんな暖かさに甘えっぱなしの動物が二見シーパラダイスには暮らしています。
甘えっぱなしなのになぜか一部で人気がある・・・という。大変うらやましい「徳」をお持ちの動物でして、それはクルミちゃんという女の子のセイウチです。

セイウチのクルミちゃん
クルミちゃんは二見シーパラダイスに来て早10年が経ち、小さい頃に腸ねん転の気あって食欲が安定せず、急にお腹が痛いと言っては餌を食べなかったりするのでついつい甘やかしてしまいました。
そして食欲が薄いのは今も同じで、スタッフの言うことをあまり聞いてくれません。

お昼寝中のクルミちゃん
そんなクルミちゃんはショーには参加せず、食べてはお昼寝をし、気が向いたらお客さんと遊ぶという一見気ままな毎日を送っていて、

クルミちゃんの寝顔
多分好き勝手していてもスタッフから文句がなかったので後ろめたさ無くそのまま天真爛漫に育ったものと思われます。

手を出して作業の邪魔をするクルミちゃん
良く言えば天真爛漫ですが、はっきり言って結構ややこしい(わがままな)彼女(笑)

嬉しそうに邪魔をしている時の明るい顔
いつもスタッフに文句なり要求なりをして偉そうする彼女は、そのスタッフへの(人間への)要求の延長上でお客様に「遊んで~」と要求し、暖かいお客様がクルミさんの相手をしてもらえているのです。

手を出して遊んでもらうクルミちゃん
相手をしてもらえたクルミちゃんはどうしたらお客さんが自分と遊んでくれるかを学習し、アクリルの上に登って手を出すことを覚えました。
このような遊びをお客さんと開発することによって人への興味が維持されていくのだと思います。

行きまっせ~(ボール投げまっせ~)
お客さんとイルカのキャッチボールもスタッフが教えたわけではなくてイルカがお客さんと開発した遊びです。

それっ!
何度かここにも書きましたが、なんせ人間のことを便利屋さん的な存在として認識している動物たちだからこそ、人間から見て表情のある子たちに育つのだと思います。 そしてお客さんが動物たちの相手をして下さるので維持ができるのです。

先生。ごはんですよ。起きてくださ~い
特にクルミちゃんはあまりにも上から目線なのでスタッフから「先生」と呼ばれ、若いスタッフからは敬語でしゃべりかけられています。