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Vol.27 「えさ」

2014.12.22

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 いつも顔中ドロドロのリョク♀!
 乾燥するこの時期。特製ジュースで毎日パックしてまーす♪(笑)

 「なに食べゆうがやろね!?」
 鳴子たちミナミコアリクイの展示場前で、よく耳にする言葉です。

 今回は「えさ」について☆  それぞれの動物園水族館で、与えているものは違っているかもしれませんが、その動物の生態や食性に合ったものをなるべく提供できるよう、工夫努力しているはずです。
 では、一体どんなものを食べて暮らしているのでしょうか・・・。

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「ヤイロチョウ」
 高知家の県鳥(1964年S39指定)。また高知家の天然記念物(1993年H5指定)でもあるぜよ!
 このヤイロチョウは、赤、黒、コバルトブルーなど8色の美しい羽毛をもつことから「八色鳥」ぜよ!学名はPita brachyuran nymphaで、ラテン語で「尾の短い水の妖精のような小鳥」の意味をもつらしい(ヤイロチョウ科)。
 高知家に渡って来る5月頃から「ホホヘン、ホホヘン」や「ピィフィー、ピィフィー」と鳴く声を耳にすることもあっても、実際の姿を見ることはこじゃんと難しい夏鳥。
 NHK大河ドラマ「龍馬伝」でも、ヤイロチョウの鳴き声が効果音的に流れよったのご存知かよ♪
 ニッポン最後の清流・四万十川の中流域・シイやカシなどの照葉樹林帯などで比較的観察されるらしいのだが、まだ私は野外でヤイロチョウの姿を一度も見たことがない!
 またその照葉樹林の減少により絶滅危惧種にも指定され、バーダー憧れ、いやまさに「幻の鳥」ぜよ。
 ただ、高知県内では、坂本龍馬さんに負けず劣らず、あちこちの看板などでよく見かけるお馴染みの鳥でもあります(笑)
 このヤイロチョウ。じつは繁殖するため、わざわざ高知家をねらって渡ってきているのには理由があるのです。
 そのこたえが、今回のテーマである☆「えさ」☆
 高知家の5月といえば梅雨。あたたかい雨降り時期、森のなかでは、ミミズや小さな虫がうじゃうじゃ!
 生き物たちも私たちといっしょ!
 楽(らく)して子育てできる環境なんて最高でしょ♪
 たくさんのミミズや小さな虫たちが重要な雛の成長に必要な「えさ」となるのです。

当園で飼育しているヤイロチョウ。じつは翼を痛め、飛ぶことができず、わんぱーくこうちへ保護されて運ばれてきた個体です。現在アニマルギャラリー館内、鳴子たちのいるミナミコアリクイ展示場の向かい熱帯鳥類舎内で余生を過ごしていますが・・・。

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 動物園に来た時、渡りの疲労とキズの治療をかねて、食べそうなものを与えて様子をみました。野生での食性を考慮すれば、コオロギやミルワームはもちろん食べるだろうと予測範囲内。
 人工フード2種、リンゴ、バナナ、ブルーベリー、オキアミ、コオロギ、ミルワームなどを入れてみます。

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 ダンボールに新聞紙を敷き、水とエサを入れ、まずは落ち着かせることから!
 とりあえず、「なんでも食べてくれー」と願うばかりです!
 そしたら、なんと言うことでしょう~♪
 コオロギやミルワームはもちろん、ブルーベリー、バナナをはじめ、オキアミや人工フードをパクリ!パクリ!!食べているではありませんか~。小鳥だから、果実やフルーツも食べるだろうと考え、与えてみたのが功を奏したぜよ♪

 やはり、動物園など展示場の大小・大きさにかかわらず、囲われた飼育環境で管理するのですから、私たち飼育スタッフが「えさ」を与えなければ、生きていくことはできません。
 「えさ」の種類も、少ないより数多く提供できれば、栄養のバランスも偏らず、状態良く飼えるのです。

 ただ・・・じつは、鳴子たちミナミコアリクイの「えさ」で、私たち飼育スタッフは悩んでいるのです。
 長く飼育し、また繁殖まで成功している各園館の特製ジュースをまねても、好みじゃないのか、少ししか飲みません。
 温度?湿度?太陽?展示場の大きさ?個体差?ベスト着てないから?(笑)
 なぜ?どうしてなのでしょう・・・?

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 当園の給餌メニューの一例。(※現在、ネコミルクは使っていません)
 ◆朝食:バナナ、アボカド、マンゴージュース、ネコ缶kd/cd、リーフイーター用とインセクト固形飼料、k2シロップ、水をいれてとろとろジュースにして与えています。
 ◆夕食:朝食+ゆで卵、タウリン添加、
 ◆その他:黒酢、アマニ油、
 ◆時々:ミカン、柿、オレンジ、グレープフルーツなど

 できの悪い子?いや手のかかる子ほどかわいいと思うように、こじゃんと愛着が沸く動物が、鳴子たち・ミナミコアリクイなのです。

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 現在、シン♂と鳴子♀を、アニマルギャラリー館内で同居中です♪
 シン♂およそ3歳。鳴子2歳4ヶ月。
 そろそろ、うれしいニュースをみなさんにお知らせしたいところですが・・・

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ご覧のとおりのありさま。
シン♂にお構いなく、のんびり悠々自適な鳴子です(笑) よっちょれ~♪
2015年(H27)1月号へ。つづく・・・

著者プロフィール

吉川貴臣(よしかわ・たかおみ)

1974年高知県高知市生まれ
物心がついたころから高知の豊かな大自然のなかで遊び、さまざまな生き物たちと出会い、好奇心旺盛な幼少期を過ごす。犬好き。
高知県立高知小津高等学校・理数科卒業 ボクシング部 
高3の夏、愛犬の突然死をきっかけに獣医師の道を目指す(ドラマ等では、間違いなく獣医師になれます)が、時すでに遅し…パンチドランカーのため、専門学校へ。
日本動物植物専門学院・東京校アニマルケアー科卒業。
1999年より、わんぱーくこうちアニマルランドに勤務。長年の夢だった飼育係となる。

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