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Vol.18 First Contact to Sea Otter?

2013.9.12

猛暑と言われた今年の夏、涼しいイメージがあるのか、マリンワールドにはたくさんのお客さまが遊びにきてくださいました。ラッコたちの食事タイムではマイクをつけて、ラッコのお話をしています。去年の今ごろはマナが展示プールで生活をする練習をしていたので、マナに会いに来てくださったお客さまが多かったんですが、今年は『マナちゃんに会いに来てくださった方~?』と聞いてもあまり手があがりませんでした(汗)

展示プールに初めて出てきた頃のマナ

マナのことをご存じない方から見れば『少し小さめなラッコ』というだけで、マリンやリロとそう変わりはないでしょう。『普通のラッコ』に育ってくれたことは、私たちにとってとても嬉しいことです。

マリンとじゃれあうマナ

ところで最近、ラッコをご覧になるお客さまの会話の中で気になることがあります。それは『ラッコってかわいいね』という言葉。
なんだかそれは『よく見るとかわいいね』という意味ではなく、まるで『初めて見たけどかわいいね』と、いう意味のような気がして、長年ラッコと接してきた私にとっては違和感があります。国内の動物園や水族館でラッコが減り続けている今、ラッコを見たことがないという人がもしかしたらいるんじゃないかと思い、食事タイムのときにお客さまに質問をしてみました。

食事タイムの様子

『今日、ラッコを初めて見た人は手をあげてくださーい!』・・・ハーイ!と手をあげたのは、小さな子どもたちだけ。(さすがに大人の人は今までにどっかの動物園や水族館でラッコを見たことあるよね、心配し過ぎたなぁ・・)とホッとしました。
でも、実際のところ、九州でラッコが見られるのはもうマリンワールドだけ。このプールでも最盛期には6頭のラッコたちが一緒に生活をしていました。当時、一番年少だったマリンは現在13歳。毛の色もすっかり白くなって、最近、おばあちゃんの『サキ』にそっくりになってきました。

寝起きのマリン

マリンを見ていると、このコは『サキ』や『チサ(マリンのお母さん)』が残してくれた宝ものだなぁと思います。そのマリンの子どもであるマナも、もちろん宝ものです。 国内のラッコの飼育数減少と高齢化が進む中、マリンはあと何頭の赤ちゃんが産めるでしょうか・・・。あの頃のようにこのプールが賑やかになることは、もうないかもしれませんが、マリンがまた赤ちゃんを産んでくれたら、私たちはその宝ものを全力で守らなければ、と強く思います。

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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