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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.97 前を向いて

2021.2.18

ついこないだ2021年が始まったと思ったところなのに、もう1月が終わってしまいました。
昨年からまだまだ終息の気配を見せないコロナウィルスの影響を受けて、クリスマスや年末年始などのイベントが呆気なく過ぎてしまった気がします。

さて、ラッコたちはというと、約1ヶ月の別居生活を経て、1月5日から展示プールでの同居を再開しました。
「まってました!」と飛びつくリロと、「あ~そうやん、リロがおるんやった・・」とちょっとうらめしそうなマナ。温度差のある再会は見ていて微笑ましいものでした。

繁殖プールは実家みたいに落ち着く♡

その後はリロの猛アタックにより何度か交尾が確認されましたが、マナの受け入れが今いち。
数日は記録をとっていたようですが、有効的な交尾は確認されなかったようです。
今後の展開としては交尾を含めた行動、体重動向の確認や便の採取によるホルモン測定の徹底と妊娠判定が可能な検査が出来るように訓練をすすめることが課題です。
わたしが出来ることは古典的だけど神さまにお願いすることくらいだ!と、先日子宝祈願をしてきました。
・・・行ったのは安産祈願で有名な神社ですが、きっと気持ちは伝わったと信じています。

リロがひっついてくるんですけど・・

世間では、緊急事態宣言が延長されましたが、マリンワールドでは入館前のアルコール消毒や検温に加え、マスクの着用、館内では密を避けることなどお客さまにもご協力をいただきながら営業をしています。
1月のマナの誕生日から3月のリロの誕生日まで「愛がいっぱい! いっこ、にこ、ラッコ!」というイベントも開催中で、ラッコプール周辺ではこれまでの2頭のことをパネルで紹介しています。
また、1月から3ヶ月連続来館によるスタンプラリーにご参加いただくと限定デザインのポーチのプレゼントも!ショップでもイベント限定のオリジナルグッズをどんどん制作・販売中です。

日常でも手洗い、うがい、換気の徹底や大きな声での会話を慎むことなどがコロナ過の今は常識となりつつあります。「会いたい人に会えない」「幸せな将来が期待できない」と悲観的になる方もいらっしゃると聞きます。
わたし自身ももしかしたら迷惑をかけてしまうかもしれない、触れてはいけないのではないかと、親しい友人でさえ触れるのをためらったことがあり、この状況が普通ではないと改めて実感しました。
そして、今の生活が「普通」になってしまわないことを、気の許せる仲間と肩を寄せ合って大きな声で笑い合える「普通」の日々が一日も早く戻ることを心から祈りたいと思いました。

普通が戻りますように

何かと不便な日常が続いています。なかなか先が見えない状況です。
園や学校の行事がことごとく中止や延期され、このままでは卒園式や卒業式の実施さえ危ぶまれます。
医療関係や飲食業の他にも苦労されいるたくさんの方がいらっしゃるでしょう。
だけど、前を向いて過ごしましょう。

前を向く!

上を向いて、と言うと頑張りすぎて疲れてしまいそうだから。
今は、ちょっとあごをあげて、胸を張り、マスクの下で二ッと口角をあげる。すると前を向けて、少し気分も上がります。少しいいことがありそうな気がします。
みんなでそうやって過ごしていけたらいいですね。
わたしも楽しい話題や良いお知らせがあれば、これからもどんどんお届けしていきます。

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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