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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.60 新しく進むみち

2017.10.2

晴れ渡る青空とさわやかな風が心地よい季節になりました。わたしはスーパーでりんごや梨、柿を見ると、うきうきします♪
「食欲の秋」と言うことばがありますが、これは動物的な本能として、今から訪れる厳しい冬の寒さに耐えるために体に栄養分を蓄えようとして食欲が増すのだそうです。
ヒトの場合は食べすぎると体重の増加など、健康に影響を与えることがあるので注意が必要です。そのことを考えると、年中寒いところで生活をするラッコたちはその心配がないのが羨ましい気がしますね。

寝起きのマナ

そのラッコたちの体重測定は毎週日曜日に行っています。マナは今まで、遊びの延長で体重計に乗っている感じでしたが、発情して大人っぽくなってからは体重計に全く近づかなくなってしまいました。なので、これを機に体重測定を一からきちんと教えることにしました。

リロの体重測定

まずは体重計の上に設置する板に乗ることから教えます。最初は、とにかく板に乗ったらオッケーということを教えました。板に乗れば餌がもらえるということを覚えると、陸上に置いたらすぐに乗るようになるので、今度は勝手に乗ったらダメ、呼ばれたときに板に乗るということを教えて、それがスムーズに出来るようになったら体重計の上に板を設置します。

板に乗るマナ

板だけのときよりも高さが10センチくらい上がるので、また、その上に乗ることから教えます。板だけのときと同じ手順で教えていき、最近は毎週、体重測定がきちんと出来るようになりました。こうやって教える前までは、陸と体重計の板との隙間を覗いたり、そこに入ろうとしたり、板を持ち上げようとしたり、遊びに夢中になることが多かったのですが、今回、そういう動きがほとんどなかったことに大きな成長を感じました。

赤ちゃんの頃のマナ

マナが大きくなるにつれて、人工哺育に関わったメンバーもずいぶん少なくなりました。若い後輩たちにとっては、リロとマナが親に育てられたか、人工哺育で育ったかなんて関係ないと言うか、2頭とも同じような存在なのは当たり前で、現に、マナ自身もあの頃の面影はだんだんなくなってきました。
彼らはマナが今後出産をして、同じように人工哺育を行うことになったときに初めて、わたしたちが言っていた意味が分かるようになるんでしょうね。

リロとマナ

最近、リロとマナが陸上で仲良く転がっている姿をよく目にします。
マナの母親『マリン』が元気だった頃、同じように母娘で並んでいる姿を見て何だか胸がいっぱいになったことを思い出します。
今はリロとマナのこの姿を見て、こんなに仲良く過ごせるようになって、本当に良かったと心の底から思います。

リロのほっぺにチュッ

わたしは今月、海洋動物課を離れます。
これは、わたしの個人的な理由により以前からお願いしていたものなので、会社がその希望を受け入れてくれたことをとてもありがたく思っています。
今までのようにどうぶつたちに接することが出来なくなるのは、とてもさびしいのですが、自分で決めたことなので、思ったよりも冷静ですっきりした気持ちでおります。

一番大事な写真です

これからは今までと違うかたちでどうぶつたちに愛情を注ぎ、今までと違う角度から見た、どうぶつたちやマリンワールド全体のことを紹介していきますね。

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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