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Vol.56 オトナへの階段

2017.6.14

福岡は梅雨入り発表後、なかなか雨が降らず天気が良く爽やかな日が続いています。色とりどりの花を咲かせる紫陽花がとてもきれいで癒されます。四季の移り変わりは本当に美しいものですね。

さて、先月はラッコたちが絶好調と書きましたが、GWの夜間営業が終わって2日後からマナの様子が一転してしまいました。
リロの後ろ頭にがっしりしがみついて、離れようとせず、く~んと甘えた声を出しながらぴったりくっついて、もう、エサどころではありません・・・。

リロにぴったり

これは・・・?!
そう!とうとう来ました! マナちゃんの初恋です‼

去年の10月、リロとの同居直後から何度も交尾を確認し、順調な体重の増加も見られました。
これは、グランドオープン後1ヶ月以内くらいで出産かとにらんでいましたが、体重の増加が途中でパタリと止まり、残念ながら妊娠していないという結果に至りました。
体重が増え始めたときは嬉しいような思いと、当時はリニューアル工事で館内が落ち着かなかったので、本当に妊娠しているとしたら、おなかの赤ちゃんに影響がないかとても心配だったので、わたし的には残念というよりホッとする気持ちの方が、正直強かったです。
その後はGWを無事に過ごし、少しゆっくりできるのかなぁと思った矢先に、文頭の状況です。

寝るときもそばに

「リロ!あの人に近づいたらいかんよ!」「あんた何なん?!リロには触らせんけんね!」と言わんばかりに、エサを受け取ろうとするリロの背中を、ウーウーうなりながら必死に引っ張って、わたしから何とか遠ざけようとします。
エサを食べたいリロは、そのマナの腕をどうにか振りほどいてわたしに近づこうとします。
マナの必死な様子はお客さまが見てもお分かりになるようで、食事タイムでその様子を実況すると「かわいい~」「ホントに好きなんやね!」というお客さまの声が聞こえてきます。

とにかくリロが気になります

通常の食事タイムではエサの種類や食べ方を紹介したり、ダンスなどの種目をお見せすることもあります。今はそんな様子はお見せ出来ませんが、「今、日本で飼育しているラッコがどんどん減っているので、これは喜ばしいことなんですよ! 2頭の間に赤ちゃんが生まれることをあたたかく応援してくださいね!」と、お話しすると会場全体があたたかい雰囲気になります。

リロにべったりとくっつくマナを見ていると、人工哺育で育ち、ラッコとして生きていけるだろうかと心配していた頃をなつかしく思い出します。
最近、やっと少しずつ正気に戻りつつありますが、マナの体がお母さんになる準備が出来たことはとても嬉しいことですね。

少しずつ正気に戻ってます

甘えん坊だったマナ姫は、着実にオトナへの階段を上っています。

マナ姫さま

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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