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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.80 一歩ずつ

2019.6.13

今年も大好きな紫陽花が咲き誇る季節がやってきました。
先日、関東地方などの梅雨入りが発表されましたが、九州北部は平年よりも遅れているようです。
わたしの実家では今も父が稲作を行っていて、まさに今週末は田植えの手伝いで帰省する予定です。稲作では大量の水を必要とするので、農家にとって梅雨の時期は田植え後の苗の成長を促す「恵みの雨」です。
ところが近年は大雨に見舞われることも多く、天気予報でも「非常に激しい雨」「猛烈な雨」という表現をよく耳にします。今年は大きな災害が訪れることがないように祈りたいものです。

祈ります

さて、水族館ではこの時期、遠足や修学旅行の子どもたちで賑わっています。晴れたらお隣の海浜公園に行くけど、雨が降ったら水族館に・・という団体さまも多いので、天気次第で入館人数が大きく変わる日が多いのもこの時期の特徴です。

先月は担当者と一緒に訓練の取り組み方についてのミーティングを行い、目指すところを決めました。リロは少々渋ることがあっても、根が真面目なんでしょう、少しずつ訓練が進んでいるようです。
問題はマナですね・・。こないだ見に行ったときもリロが指示に従って訓練を進めている横から、キャッキャッーと割り込んでいました。それがあんまりしつこいとリロもめんどくさくなるのか、フラ~ッと離れてしまってしばらく戻って来ませんでした。

そんなときもあると!

これでは何も進まないということで、前回のミーティングでは2頭を展示プール内でふたつのエリアに分けて給餌をすることを最優先の目標に期間は2週間で定めました。また、その期間が終了する前に進捗状況の確認と次の訓練課題を話し合うためのミーティングを行うことを決めました。
その2回目のミーティングを先日行ったのですが、マナの執着は予想以上で、思ったようには進んでいないとのこと。今の状態で2頭をふたつのエリアに分けることは難しそうなので、そこまでは求めずに、とりあえず同じエリアでポジションをしっかり定めて給餌をすることを目標にすることになりました。

いつもくっつきたい

進み方は本当に少しずつです。ただ、自分が訓練に参加していなのでよく分かりませんが、表面的には見えなくても担当者が感じる小さな変化があると思います。せっかくみんなで進みだしたことなので、その小さな一歩、もしかしたら半歩くらいの小さい歩幅かもしれませんが、敏感に反応ながら、つまづいたり、行き詰ったときは無理に進まないことも必要だと感じています。

少しずつよね

あまり悠長なことは言っていられない状況かもしれませんが、そのことに気をとられて、急いで踏み外したりケガをしては元も子もありません。
わたしはもう、どうぶつ達の訓練をすることはありませんから理想論を言っているだけかもしれませんが、二歩進んで三歩さがってしまったとしても、二歩進んだ事実があるんだから、そこに戻ることを目標にすればいいと思っています。

一歩ずつね

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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