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Vol.58 心を離さずに

2017.8.8

福岡では炎天下に立つとチリチリと肌が灼ける音が聞こえそうなほど、暑い日が続いています。
晴れ渡る青空と賑やかなセミの声に夏本番を感じますね。

先月は、ラッコたちと七夕イベントを行ったことを紹介しましたが、あれから1ヶ月、マナちゃんは未だにピリピリしています。

エサの時間に、リロに触ろうとしたら「う~」と、怒るのは相変わらずで、エサの時間じゃないときに、掃除をしようとホースを持ってプールに入ったら、「キャーッ!」とすごく大きな声と怖い顔で威嚇することも・・・。
大好きな氷をあげようと、バケツに入れて持って行っても同じように威嚇することがあります。

去年の2月に亡くなったマナの母親、マリンも発情したときは顔つきも動きも変わって、自分で自分をコントロール出来ないのは見ていて感じましたが、今回のマナみたいにヒステリックになることはなかったと思います。

ヒトで言う、思春期のようなものでしょうか?

ヒトの場合だと、親の元ですべて面倒をみてもらっていた子どもの状態からひとりで社会に出ていくための心の成長で、親元を早く離れて自立したいという欲求が強くなるそうです。また、身体が一気に大人に変わっていくので、急激な変化に戸惑い不安定になるといいます。

わたしも2児の母として、時には深く悩みながら育児に奮闘していますが、長男が保育園に通っていた頃、ある先生から教わり、今でも大事にしていることばがあります。
それは
  乳児期は肌を離さず 幼児期は手を離さず 学童期は目を離さず
  そして思春期は心を離さずに
と、いうことばです。

声に出してみると、涙が出そうになるのはわたしだけでしょうか・・。

今回の写真は、すべて田井さんから撮っていただいた写真を使わせていたただきました。
今、マナとこんなふうに接することが出来ないことは、正直、わたしにとってとても大きなストレスです。
でも、マナが思春期のような、大事な時期を迎えているとするならば、わたしは余計なことばや手をかけずに、でも心を離さないように、どんなあなたでも変わらず大すきよ、という気持ちで接していきたいと思います。

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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