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Vol.98 14歳の誕生日

2021.4.13

気がつけば庭のチューリップがきれいに咲き、今年も海の中道駅の桜並木があっという間に満開を迎えていました。
気がつけば厳しかった寒さが緩み、木々が芽吹いてとても美しい色を見せるわたしの大すきな季節に移りかわっていました。
どんなことがあっても、季節は移ろいてゆくものですね。

さて、3月30日に『リロ』が14歳の誕生日を迎えました。
今年は1月から3月までラッコのイベントを行っていたこともあり、当日もたくさんのお客さまがお祝いにお越しくださいました。
食事タイムのあとにプレゼントとして用意したのは、14個のホタテ貝をあしらったバースデープレート。
まぁまぁの大きさなので画になります。嬉しそうにゆっくりと味わっていましたよ。

バースデープレート

なかなかの大きさです

リロは、和歌山県のアドベンチャーワールド生まれです。
2012年に繁殖を目的とするブリーディングローンという制度で、当時飼育していたオスの『ナダ』と入れ替わりでマリンワールドにやってきました。
搬入当日、どんな子が来んのかな♡と、わくわくしていたわたしの前に現れたのは『デカラッコ』!

デカラッコ?

「ゲンくんみたい・・・」
わたしは、リロを見た瞬間に『ゲン』という個体を思い出しました。
ゲンは体重30キロ超えの、がっしりとした体格をしていました。餌を受け取るといち早く口に運ぶので、そのまま自分の手まで食べられるんじゃないかと思ったこともあります。前あしを使って飼育プールの格子をガンガン揺らしたり、よじ登って脱走を図ったこともある、とにかくワイルドなラッコでした。

リロは、第一印象こそ「ゲンくん」でしたが、その中身はとても穏やかでした。
慎重で少し頑固なところがあって正直で真面目な性格です。それから、バウンダリーの引き方がとても上手です。当時、リロに種目を教えましたが、その距離感がすごく自然でちょうど良く、とても心地が良いと感じることが出来ました。わたし自身は相手のことが知りたくてどんどん近づこうとしてしまうので見習わないかんな、と思っています。

距離感は大事

持ち前のしっかりと大きなからだつきはリロのチャームポイントですが、ここに来た頃に比べると白っぽさが増した顔も長くてもふもふした前あしも、背泳ぎで泳ぐときにかくっと曲がる後ろあしも、口を大きく開けて餌を美味しそうに食べるところも、眠りにつくときの仕上げに後ろあしをぺろぺろなめる姿も、全部、かわいくて大すきなポイントです。

今年もリロの誕生日をお祝い出来たことがとても嬉しいし、
これからも、リロがずっとずっと元気で過ごせますように
リロと一緒に、楽しい時間をたくさん過ごせますように、と心の底から願います。

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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