日本全国の動物園と水族館をつなぐ情報誌、「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」公式Webサイト

どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.39 どうしても苦手なモノ

2015.6.30

 あっという間に6月・・・。今年も半分が過ぎようとしています。
時間が経つのは本当に早いものですね。

 さて、今月はラッコたちの食事についてのお話です。
当館では12:35~のラッコの食事タイムではマイクを付けて解説を行っています。
ラッコの生息地や体の特徴など、解説を行うメンバーによって内容が違いますが、お客さまが一番興味をお持ちなのは餌についてのことのようです。

 「ラッコが食べるものと言うと、何が思い浮かびますか?」と、質問すると聞こえてくる答えはだいたい決まっています。これをお読みの方も答えは同じではないでしょうか?
毎回聞こえてくるのは「かいー!(貝)」と言う答え。
「与えているのはウチムラサキという2枚貝です。」

ウチムラサキ

ウチムラサキ

お客さまにお見せしてからガラス面の前に投げると、ラッコたちがすぐに取りに行きます。そして、おいしそうに食べる様子にお客さまからは「お~っ!」と、歓声があがります。
「貝はもう一種類与えていて、こちらのホタテです。」

ホタテ

ホタテ

これは投げる前に「贅沢だね~」という声が聞こえてきます。
「それから、スルメイカ。」

スルメイカ

スルメイカ

こちらはバケツから出した瞬間に「大きいね~!!」と、会場がざわつきます。
他にもサケとホキ(白身魚)、現在5種類の餌を与えています。

左 サケ/右 ホキ

左 サケ/右 ホキ

ただし、この5種類全部を食べるのはマナだけ。

なんでも食べるよ~

なんでも食べるよ~

リロはホキとサケ、マリンはホタテとサケがそれぞれに苦手で食べようとしません。
マナは人工哺育で育ったため、ヒトが与えるものは疑いもなく、何でも食べて育ちましたが、リロやマリンは子どもの頃から食べていないので、おとなになってからでは抵抗があるんでしょう。この話題は食事タイムで紹介すると、お客さまからも「へ~」と好印象の反応がかえってきます。

つい先日、おもしろいことがありました。いつものように、ホタテをお客さまにお見せしてガラス面に投げたときに、マリンがス~ッと泳いで取りに行ったんです。
「マリンちゃんはそれ、食べきらんのやないと~?」
わたしの言葉通り、一瞬クンクン臭いを嗅いだあと、ホタテをつかんだ前あしを目一杯、前に伸ばして急いでわたしの所に運んできました。
その様子に「本当に食べないんだね!」とか「かわいい!」と、会場がたいへん盛り上がりました(笑)

ホタテはにがてなの

ホタテはにがてなの

また、別の日にはマナが受け取り損ねたサケの切り身が仕切り越しにマリンたちのエリアに流れ込んでしまいました。
「あ~あ・・。サケは誰も食べんのよね・・。あとで回収せないかん・・・。」そう思いながら、マナの給餌を終わらせて、リロとマリンの給餌に行った時に陸上に何かが置いてあるのを発見しました。

置いてあったモノ

置いてあったモノ

マナちゃんが流してしまったサケです(笑) 多分、マリンが拾って届けてくれたんだと思います。
証拠写真を撮っていたら、マリンが近づいてきたので

マリン接近

マリン接近

「マリンちゃんがコレ拾ってくれたと?」と、聞くと「そうやん!さっき触ったんやったー!!」と言うかのように腕の臭いを嗅ぎながら離れて行きました。

臭いがついとるかも~

臭いがついとるかも~

・・・おもしろいでしょ?

かわいいうえにおもしろいなんてズルイ!と、思ったりもしますが、マリンちゃんのこういうところがわたしは大すきです♪

マリンウインク

マリンウインク

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

カテゴリー

カテゴリー一覧

このカテゴリーの他の記事

ページTOPへ

Copyrights © 2010 Doubutu-no-kuni All Rights Reserved.
誌面、Webにおけるあらゆるコンテンツの無断複写・転載を禁じます。