日本全国の動物園と水族館をつなぐ情報誌、「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」公式Webサイト

どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.44 マナに流れるマリンの血

2016.6.19

 6月に入り、九州も梅雨入りをしました。また、季節が移り変わりますね。

 さて、今回はマナちゃんのお話をしましょう。
 当館では毎週月曜日にラッコたちの体重測定をしています。以前は体重計の上を何度も行き来して、結局最後は抱っこして体重計に乗せることが多かったんですが、最近はとてもスムーズに出来るようになりました。・・その様子を写真に撮りたかったんですが、カメラが気になって、結局こんなんなりました(笑)

体重測定

体重測定

 体重は今年の2月頃から21Kg台をキープしていますが、この『21Kg』がなかなかのくせ者で、この値がしばらく続くと余裕が出てくるのか、餌の食べ方が段々悪くなってきます。
 どういうことかと言うと、餌の時間の途中で食欲よりも遊びたい気持ちの方が強くなって、バケツをトントン触ったり、引っ張ったり、ひっくり返そうとしたり・・・。
 「マナちゃん!ダメッ!!」声を出して怒ると、今度は正座しているわたしの膝を叩いたり、カッパを引っ張ったり、陸に上がってきて背中に登ったり・・・。

登っちゃうよー

登っちゃうよー

 「コラッ!いい加減にせんね!」さらに怒ると、ハーッと言いながら激しく泳ぎだします。こうなるとアウト。餌はもう食べません。

 こんな調子の日がちょいちょい続く中、ちょっとおもしろいことがありました。餌の時間に途中でホタテを渡したとき、口に入れるのを一瞬ためらいました。そして両手で挟み、少しモミモミして匂いを嗅いだあと、陸場にそっと置いたんです。

今日はコレ食べとうない!

今日はコレ食べとうない!

 「マナちゃん、コレ食べんと?」指をさして聞いても、見ようともしませんでした。
マリンを思い出します。

 マナの母親、マリンはホタテやサケが大の苦手でした。ちょうど1年前になりますが、去年の6月に『どうしても苦手なモノ』でそのことを紹介したことを懐かしく思い出しました。

サケは好き

サケは好き

 餌をちゃんと食べないのはいけないことです。だけど、わたしはマナの中にマリンの血が流れていることを感じて、何だかうれしくて、つい笑ってしまいました。

氷も好き

氷も好き

 餌の量を調整したり、時間を変えたり工夫をして、最近は少しずつ落ち着いてきました。マナもそろそろ繁殖に関われる、イイ年頃です。体重をキープしたまま、行動も少しオトナに近づいてほしいなぁと切に願います。

ボールも好き

ボールも好き

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

カテゴリー

カテゴリー一覧

このカテゴリーの他の記事

ページTOPへ

Copyrights © 2010 Doubutu-no-kuni All Rights Reserved.
誌面、Webにおけるあらゆるコンテンツの無断複写・転載を禁じます。