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Vol.47 リロとマナの同居試験

2016.9.12

 お盆を過ぎたころから一気に涼しくなり、過ごしやすくはなりましたが、個人的には急に来た夏の終わりを寂しく感じたりしています。
 さて、もうご存知の方もいらっしゃるでしょうが、マリンワールドはリニューアルのため10/3(月)から休館いたします。休館前、最後となった今年の夏休みは、毎日本当に多くのお客さまにお越しいただきました。
 ところで休館中、ラッコたちはどうなるの?と、心配されている方もいらっしゃるでしょう。ラッコだけではなく、イルカやアシカ、ペンギンたちも、変わらずここで生活する予定です。

なんの工事すると?

なんの工事すると?

 ラッコプールは、直接工事をするわけではないんですが、館内では大がかりな工事が予定されていて、大きな音が出ることが予想されます。水中では音だけでなく、振動もよく伝わります。「怖くないよ。大丈夫だよ。」といくら言っても、どうぶつ達にはわかりません。こんなときドラえもんに、ほんやくこんにゃくを出してもらえたらいいのになぁ・・・と、本気で思います(*_*)

 メスのマナは人工哺育で育ちましたので、怖いと思ったら、まだわたし達を頼ってくれるかもしれません。心配なのはオスのリロです。ラッコはもともと、とてもデリケートなどうぶつです。工事音が気になって、餌を食べなくなったり、毛づくろいが十分に出来なくなると命に係わります。今はリロとマナは別々に生活していますが、どちらかがダメージをうけたときに1頭よりも2頭一緒にいた方が少しでも安心できるんじゃないか、と考えて、試験的にリロとマナの同居を行うことにしました。

どうきょ?なんのこと?

どうきょ?なんのこと?

 わたし達がいつも接しているのはペットではありません。体も大きく、力も強いどうぶつ達です。何か新しいことをするときには危険を伴うこともありますので、いつも、万が一の場合を想定します。

ちからもつよいよー!!

ちからもつよいよー!!

 リロとマナでは約10Kgの体重差があります。リロが興奮したり、発情したときにマナを羽交い絞めにして離さなかったり、そのままプールに潜って連れまわすということも予想されます。そうなったときにはわたし達が割って入らなきゃいけないんですが、タイミングを間違えると、かえってリロを刺激したり、わたし達がケガをすることがあるかもしれません。そうなると、プールが広いと圧倒的に不利なので、同居は裏方の繁殖プールで行うことにしました。

リロが合流!

リロが合流!

 最初はプールは開放せずに陸上部分のみで顔合わせを行いました。予想では、リロが一目散にマナに駆け寄ると思っていたんですが、走り寄って行ったのはマナの方。リロは周りの飼育員のプレッシャーを感じていたようで、予想に反してとても落ち着いていました。
 2回目は最初に陸上部分で会わせた後、プールを開放しました。リロはマナをしっかりと抱きしめて体の臭いをふんふんと興奮気味に嗅いでいましたが、しばらくすると一緒に泳ぎ出し、とてもイイ雰囲気でした。

リロがふんふん

リロがふんふん

イイ雰囲気

イイ雰囲気

 その後も少しずつ時間を延ばしながら同居試験を行っています。2頭が抱き合いじゃれ合ったり、時には激しく咬みあったりするのを見ていると、あのマナちゃんが立派なラッコに成長したことに、本当に感動します。約半年間の工事期間を、2頭と一緒に何としても乗り切らないかん・・・。

仲良くくっつく2頭

仲良くくっつく2頭

激しく咬みあうこも・・

激しく咬みあうこも・・

 休館中も出来るだけ、ラッコたちの様子をお伝えするつもりでいますので、皆さんは何事もなく、毎月情報が更新されることを祈っていてくださいね。

またあおうね~

またあおうね~

 大丈夫。しっかりと守りますからね。

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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