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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.7 同居スタート!

2012.10.11

好き嫌いせず、何でもおいしそうに食べ、すくすくと成長しているマナ。日中のお昼寝の時間もだいたい決まってきたようです。写真は輪っかを首にかけてお昼寝しているところを隠し撮りしたものと、タオルでの毛づくろいのあと、そのままお昼寝を始めたときのものです。相変わらず寝姿が無防備すぎてかわいい。

お昼寝

そして、いよいよおとなラッコたちとの同居の開始日が決まりました。とは言っても、いきなりおとな2頭の中にマナを入れるのはあまりにもかわいそうで、特にオスのリロは体が大きく力も強いため、リロを現在マナが生活している狭いエリアに移動して、広いエリアに母親のマリンとマナを入れる予定にしています。そのためには、マナを一旦繁殖プールに移動して、リロだけを狭いエリアに移動させなければいけませんが、リロは以前から、狭いエリアへの移動があまり好きではありません。事前の練習はなし。当日は何が何でもリロを狭いエリアに移動させなければいけません。ちょっとしたプレッシャーを感じながら、迎えた当日の朝。まずはいつも通り、マナの体重測定を行います。その後、繁殖プールへ移動してマナはそのまま待機。次はマリンを広いエリアに残したまま、リロだけを狭いエリアに誘導します。少しだけ不審がっていましたが、今までマナが生活をしていた場所なので、それなりに興味はあったみたいで意外とスムーズに誘導が出来ました。今度は繁殖プールにマナを迎えに行きます。抱っこしたままキーパーヤードを通り、展示プールへ!生後10日目に別れて以来の母子の対面です。マリンは生で見るマナの姿に興味深々。マナはそんなマリンが怖くてたまらない様子。大きな声で鳴く我が子を抱っこしようとするマリンと、鳴き叫んで逃げようとするマナ。助けを求めて駆け寄ってくるマナを抱き抱えたい気持ちをぐっとガマンして見守ります。

母子再会

騒ぐマナ

プール内にヒトがいるとどうしても近寄ってくるので、ひとりずつ順番に退室して、観覧面から観察することにしました。マナが鳴いて騒ぐと、マリンが心配して抱っこしようとします。マナは体を触られてパニックに。騒ぐマナをマリンがさらに強く抱こうとします。まるで『慌てなくて大丈夫よ。こっちにおいで。』と言っているようです。もし、本当にそうだとしても、マナには通じるわけがありません。見知らぬ大きなラッコに捕まるまいと必死で対抗します。2頭の思いの違いに少し胸が痛くなりますが、動物の場合は永遠に親子関係が続くことはほとんどありません。マナにとって、マリンが自分のお母さんだということは分からないでしょう。ただ、2頭が同じ『ラッコ』として、少しでも距離が縮まる日が、一日でも早くくることを心から願います。

 

水中のマリンとマナ

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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