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Vol.5 だんだん姉妹になってきた?

2016.2.20

みなさんこんにちは!

今回は、人工哺育で育つ小さな姉妹の関係についてお話します。

仲良くころころ遊ぶ愛くるしい子ザルの様子をお伝え…したいところですが、タラとサト、実はかなり長い間気まずい雰囲気が漂っていたんです。

それというのも、お姉ちゃんのタラがとっても逃げ腰だったから。

タラは、サトが生まれるまでの1年2か月、他のサルとの接触は皆無。
おとなとのお見合いは生後すぐから行っていたものの、直接触れたり、抱かれたり、毛づくろいをし合ったり、じゃれて遊んだり、そうしたサル同士のコミュニケーションの経験は一度もありませんでした。

ひとりぼっちで、どことなくさみしそう…

ひとりぼっちで、どことなくさみしそう…

そのため、他のサルにどんなふうに挨拶したらいいのか、泣き叫ぶサトをどうしたらいいのか、わからなかったのだと思います。

はじめの頃、タラはサトを見ると、飛びのいて遠くに行ったかと思うと、石のようにかたまってじっと見つめるだけでした。

お見合いをはじめた当初。この距離がなかなかどうして縮まらない…

お見合いをはじめた当初。この距離がなかなかどうして縮まらない…

一方のサトは、見る物すべてが新鮮!好奇心でいっぱい!といった様子。
タラを見つけると鳴いて叫んで、じたばたして、おそろしいほどの元気ぶりでした。

そんなサトに、タラはさらにたじたじ…

でも、サトの運動能力が高まるにつれ、だんだん近づけるようになりました。

見つめて、追いかけて…

見つめて、追いかけて…

ちかづく!

ちかづく!

さらに、最近はタラのほうもサトと過ごすことにすっかり馴れた様子。
サトにミルクをあげていると、すぐにタラが寄ってきてちょっかいを出してきます。

現在は、人との接触を少なくするため、金網ごしに授乳をしています。

現在は、人との接触を少なくするため、金網ごしに授乳をしています。

タラとサト、2年連続で人工哺育をすることになってしまったのは本当に残念なことですが、1才違いの姉・妹の存在は、お互いの成長にとってとてもプラスになっていると感じています。

2頭とも人工哺育で育っているため、タラにもサトにも「姉妹」という意識はないかもしれませんが、もっとたくさん遊んでケンカして、少しずつ姉妹になってくれたらいいな! そして、おとなたちとみんな一緒にいい群れがつくれるといいな!

国内では現在たった6頭しかいないハヌマンラングール。
群れをつくれたら、さぞかし壮観だろうなあ!
思い浮かべるだけでにやついてしまいます。

次回は、「タラ」と「サト」、ちょっと変わった名前のお話です!

著者プロフィール

川出比香里(かわで・ひかり)

1991年生まれ 埼玉県出身
専門学校を卒業後、埼玉県こども動物自然公園でのアルバイトを経て、2012年にときわ動物園就職。偶蹄類が好きでサルは大の苦手だったが、担当になるとあっという間に夢中になり、今では3児(すべてサル)の母。

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