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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.27 SSH その3

2018.8.2

みなさんこんにちは!
連日の猛暑に加えて台風の到来、厳しい夏となっていますが、体調を崩されていませんか?
暑さ対策はもちろん、ごはんをしっかり食べて元気に夏を乗り切りましょう!

   

さて、今回はコラムの登場も3回目となる「SSH」のお話です。

SSHは、ちょっと進んだ理科教育を推進するSuper Science Highschoolの略称です。
ときわ動物園では、SSH指定校である山口県立宇部高等学校の学生さんたちと協力して、人工哺育で育ったハヌマンラングールを中心とした社会関係についての研究に取り組んできました。SSHの活動は高校1年生の終わりからの1年間で終了しましたが、宇部高校のみなさんから「もっと研究したい」という声が上がり、ひと段落した研究の追加調査を行いました。
そして、7月14~16日に東京で行われた霊長類学会の中高生ポスターセッションでその成果について発表してきました。

中高生ポスターセッションの会場。未来を担う学生たちに、たくさんの関係者が注目!

宇部高校の発表の様子。堂々と説明できていました。

研究について発表し、ディスカッションすることで考えが深まったり新たな視点が見つかて、さらに研究が面白くなっていくことを実感してくれたのではないかと思います。

ご意見、ご助言くださったみなさま、ありがとうございました!

前回までの発表では、こどもとおとなの距離が遠く、接触もほぼ見られないことに対し、人工哺育育ちの弊害かもしれないと考察していました。今回の追加調査では、妹のサトの2才時と3才時を比較したところ、3才時のほうが母のリンダとの距離が近くなっていることがわかりました。人工哺育によって、お互いに親子という認識は持っていないことが考えられますが、それでもいっしょに生活を続けることで同じ群れの仲間という関係にはなっているようです。

今後は、高校生たちの研究を引き継いで追加調査を重ねていきたいと思っています。
高校生といっしょに研究をして、私たち飼育員も学ぶことがたくさんありました。
指導役として未熟なところも多々ありましたが、今後もこうした機会を大切にしていきたいと思います。

 

 

 

次回は、ハヌマンラングールの環境エンリッチメントについてお話します。

著者プロフィール

川出比香里(かわで・ひかり)

1991年生まれ 埼玉県出身
専門学校を卒業後、埼玉県こども動物自然公園でのアルバイトを経て、2012年にときわ動物園就職。偶蹄類が好きでサルは大の苦手だったが、担当になるとあっという間に夢中になり、今では3児(すべてサル)の母。

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