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Vol.12 かぞく その2

2016.9.15

みなさんこんにちは!
夏休みも終わり、すっかり過ごしやすくなりましたね。
動物園へ行くには絶好の季節到来です!ぜひお越しくださいね!

それでは、先月の続きです!

1ヶ月前のコラム、みなさん覚えていますか?

1

同居訓練初日、1才になったサトが おばさんにあたるソフィーに追いかけられた…
かと思いきや、だっこされていたところから!

これまでのお見合いでは、お母さんのリンダは興奮して大騒ぎしてしまうことはあったものの、ソフィーはこどもたちが生まれた時からずっと 追いかけるどことか視線を送ることもあまりなく、興味がないのかな?と思っていました。
それだけに、とてもびっくりしました。

しかし、このように母親でない個体が赤ちゃんを抱いて世話をする行動は「アロマザリング」と呼ばれ、野生個体や海外の動物園の個体でも確認されているのです(ハヌマンラングール以外の動物でも多数確認されています)。

自分のこどもでない赤ちゃんを抱く理由ははっきりとはわかっていませんが、出産経験のない個体によく見られることなどから、子育ての方法を学習するためではないかとも言われています。
今年24才になったソフィーは、これまで妊娠も出産も経験がありませんが、子育てを学ぼうという本能は働いているのかもしれません。

しかし、お母さんのリンダは打って変わって無反応…
きっと一番にリンダがサトに飛びつくだろうと思っていたので、やや拍子抜けでもありました。
生まれたその日からお見合いを続けてきたことで、受け入れ態勢が整ったのかもしれません。

2

手前から、サトを抱いたソフィー、それを見つめるリンダ、それを見つめるタラ。

この日はソフィーに抱かれて30分ほどすごしたサトですが、かなり緊張していたのか、一度離れてからはソフィーが追いかけると素早く走って逃げ回るようになり、その後はわたしたちが観察する限りは抱かれることはありません。

3

少し残念な気もしましたが、おとながサトを攻撃したり威嚇したりするという一番心配していた事態にはならず、ほっと胸をなでおろしました。

さて、同居訓練についてのコラムはあと1回!

2頭でくらしていたハヌマンラングールのおとなたちは、頭数の多い他のサルたちと比べると活動的とは言い難いところがあり、担当者として少し悩んでいました。
もちろん、もともとの種による差はあるのですが、どうしたらもっと活発な姿が見られるんだろう?
こどもたちと一緒にくらしはじめたことで リンダとソフィーの行動にも変化が感じられるようになってきています。

次回ははじめての同居訓練から現在までの4頭の様子についてお話しします。

著者プロフィール

川出比香里(かわで・ひかり)

1991年生まれ 埼玉県出身
専門学校を卒業後、埼玉県こども動物自然公園でのアルバイトを経て、2012年にときわ動物園就職。偶蹄類が好きでサルは大の苦手だったが、担当になるとあっという間に夢中になり、今では3児(すべてサル)の母。

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