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Vol.9 癖

2016.6.16

みなさんこんにちは!
さて、2か月振りにハヌマンラングールの話題です!
子どもの成長というのは本当に早いもので、コラムに登場していない2か月の間にお姉ちゃんのタラは2才になり、最近すっかりおとなっぽくなりました。

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こんなどきっとする表情も。「かわいい」はもう卒業ですね。

それでは本題に!
「なくて七癖」なんて言いますが、みなさんにはなかなか抜けない癖ってありますか?
かく言うわたしの癖は、やたら眉間にしわが寄ることです。
変な顔をしては母に見せるのが好きで、「ブスになっても知らないよ!」と言われては、「もともとこういう顔だもーん!」と憎まれ口を叩きしわを寄せ続けた(眉間のしわだけではないですが…)幼少期。
変な顔をする趣味は消え去りましたが、今でも不機嫌な時、考え事をしている時、緊張している時、特になんでもない時までも、気付けば眉間にしわが。
いやあ、我ながらかわいくない。
おとなしく言うことを聞いていればいくらかマシな仕上がりだったのでは、と悔やむ今日この頃です。

そんなわけで今回は、人工哺育のハヌマンラングール姉妹、タラとサトの「癖」のお話。

人工哺育で育った動物は、1頭だけでやることがない時間が長いためか、いつもそばにお母さんや仲間がいる自然繁殖の個体に比べて 不思議な癖が身についてしまいがち。

お姉ちゃんのタラの癖は、これ。

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自分のしっぽを抱え込むことでした。(以前も使った写真…使い回しごめんなさい!)

いつの間にやらこんな行動が出てきて、気が付けば毎日見られるようになっていました。
お母さんのぬくもりが足りず、何かに触れていたかったのではないかなと思います。
室内展示の中で1頭ぽつんと座ってしっぽを抱える姿は誰がどう見てもさみしそう。
県内の3つの動物園で毎年開催している山口県児童・幼児動物画コンクールでは、『ひとりぼっちのタラ』というタイトルの作品が出品されたほど…
なんとかやめてくれ~!と願いつつ、いつまでもわたしが遊び相手になっていると群れに入るのが難しくなってしまうし…もどかしい日々でした。

思い悩んだこの癖もいつしかなくなり、ほっと胸をなでおろしたものです。

しかし、問題は次々やってきます。
今まさに困った癖が出現しているのが、妹のサト。

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…かなり激しめの指しゃぶりです。
こちらもいつの間にかはじまり、最近は暇さえあれば 力強くがしがしと、しゃぶるというより噛んでいます。

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左手の親指まわり、しゃぶりすぎて毛が抜け、ペンだこのような跡まで…

ヒトのこどもの指しゃぶりは、さみしさからくる行動で精神的な安定を求めて現れる行動だといわれていますが、おそらくサトの場合も同じでしょう。タラも一緒だし、そのうちなくなるだろうと思っていますが、跡もついているし、歯並びだって気になってしまいます。
子ザルの一挙一動にひやひや。お母さんって、心配ごとがいっぱいなんですね…

人工哺育の動物に限ったことではありませんが、限られたスペースの中でくらす動物園動物には、良くない癖がついてしまうことがあります。
せまい部屋の中でやることがないために、同じところをぐるぐる歩き回ったり、自分で自分の毛や羽を抜いてしまったり。わたしの担当動物にも、そうした癖のある動物がいます。
一度ついてしまった癖をなくすのは大変なことですが、さみしさや退屈からくる癖はすこしでも減らしてたのしくすごせる環境をつくっていきたいと思います。

次回は、こどもたちの食べものについてお話します!

著者プロフィール

川出比香里(かわで・ひかり)

1991年生まれ 埼玉県出身
専門学校を卒業後、埼玉県こども動物自然公園でのアルバイトを経て、2012年にときわ動物園就職。偶蹄類が好きでサルは大の苦手だったが、担当になるとあっという間に夢中になり、今では3児(すべてサル)の母。

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