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Vol.18 SSH

2017.3.27

みなさんこんにちは!
日に日に暖かくなり、動物たちも活発になっています。
春休みは動物園に行こう!

さて、今回は「SSH」のお話です。
SSHってなんだかわかりますか?
SSH…Secure Shell(セキュアシェル)。暗号や認証の技術を利用して、安全にリモートコンピュータと通信するためのプロトコル。パスワードなどの認証部分を含むすべてのネットワーク上の通信が暗号化される(Wikipediaより)。

ちがうちがう、
SSH…Super Science High school!
スーパーサイエンスハイスクール!です!
私も今回学校から依頼があって初めて知ったのですが、SSHは創造性や独創性を高めること・国際性をはぐくむことなどを目的に、指定された高校などで先進的な理数教育を実施し大学や企業との共同研究を行う、文部科学省主導の取り組みです。
そして実は、市内の宇部高等学校もこのSSH指定校なんです。

生き物に興味のある1年生4人と一緒に、ハヌマンラングールの行動調査をすることになりました。
調べるテーマは「育児放棄されたハヌマンラングール幼齢個体の社会関係形成過程」。

 

ときわ動物園のハヌマンラングールのこども タラとサトは、2頭とも人工哺育で育ち、現在はお母さんのリンダ、伯母さんのソフィーと一緒にくらしています。
しかし、血縁関係があり同じ空間にいるからといって、本来のハヌマンラングールの家族(群れ)らしいコミュニケーションがとれているわけではありません。
お姉ちゃんのタラは、だいぶリンダとの距離が縮まってきたように思いますが、妹のサトはまだ緊張している様子もよく見られます。
ふつうとはちょっと違う環境で育った2頭のこどもたちは、これからも一緒にすごしていくことでおとなとのコミュニケーションがとれるようになるのでしょうか?
…ということを調べます。

こちらは、SSHの研究成果発表会で、研究の計画段階をポスター発表する様子。
(かれらは1年生なので、本格的な研究発表は来年度です)

こどもたちとおとなの距離や、接触があるかどうか、何をしているか…など、調査することはたくさんあります。

今は、調査をはじめる前に、計画した調査方法でみんなが同じように観察してデータがとれるように練習をしています。

こちらは、観察項目のひとつ・距離の感覚を知るために、サルのいない展示場に入って長さをはかって確認しているところ。
1mは?3mは?
みんな自信が持てるようになって一安心です。

また、ハヌマンラングールの生態を文献で調べたり、ときわ動物園のハヌマンラングールのくらしを知ることも大切な準備。

おいしそうに葉っぱをバリバリ食べている様子を見て「食べてみたい!」との声が上がり、かれらの最近のブーム・クロガネモチの葉っぱをかじってみました。

みんな笑顔を作ってくれましたが、に…苦い…
サルとヒトの違いを身をもって知りました。

高校生と協力して、ハヌマンラングールたちのこれからに役立つ研究をしていきたいと思います。
動物園離れが進む若い世代が、動物や動物園に興味を持ってくれてとてもうれしいです。

 

次回は、飼育担当者との関係についてお話します!

著者プロフィール

川出比香里(かわで・ひかり)

1991年生まれ 埼玉県出身
専門学校を卒業後、埼玉県こども動物自然公園でのアルバイトを経て、2012年にときわ動物園就職。偶蹄類が好きでサルは大の苦手だったが、担当になるとあっという間に夢中になり、今では3児(すべてサル)の母。

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