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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.3 ごはんの食べ方

2012.6.13

餌の時間にバケツを持ってプールに近づくと、水面を前あしで叩いたり、跳び跳ねたり『ピーッ』と大きな声で鳴き『早くちょうだい!』と猛アピール!とにかく、わたわたと落ち着きがなくなります。

『餌を前あしで引っ張り、噛みちぎって食べること』が今の課題。母親『マリン』はお上品な位に小さく噛みちぎって餌を食べます。マリンだったら、どんなふうに食べ方を教えてあげるんでしょうか?

人工哺育に取り組みながら、度々思い出すのは『マリン』の母親『チサ』の子育てです。チサは自分の餌をよく噛み、柔らかくしてからマリンに渡していました。おとな用の大きなイカなのですぐには飲み込めず、しばらく噛ませたあとはマリンから取り上げ自分で食べていました。それが何日間か続いたあと、マリンは自然に餌の食べ方を覚えていきました。

赤ちゃんには引っ張りやすいようにイカを細長く切って渡していますが、前あしで次々に押し込み、口いっぱいに頬張ってむしゃむしゃ。『それじゃダメ!引っ張らな!』と言いながら、イカの端っこを持って噛んだ瞬間に引っ張っぱってみると、イカを取られると思うのか、その手を前あしでガシッと掴んでぐいぐいと口の方に近づけて、結局いっぺんに食べてしまいます。

食べ方はまだちょっと下手ですが、スルメイカやウチムラサキ貝、ホタテ貝、ホキ(白身魚)、おとなと同じメニューを好き嫌いすることなく、一日に約 2800g食べ、体重は8500gと、さらに大きく成長しました。

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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